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最高のプレゼント☆41

** 新見(高校生)・side ** とりあえず、倒れた男たちは そのままに、 俺とサクラは外に出る事にした。 廃屋の中は、埃っぽくて長居したくなかったからだ。 あー、空気うまいな♪ しばらく歩くと、サクラが立ち止まった。 『で?なんで薫は来ないの?』 おぉっと、聞く?・・・それ。 どうしよう、なんて答えようか。 正直に言っちゃう? それもちょっとなー。 ま、俺には関係ないけどさ。 『えーと、大事な・・・・用事が。』 わざわざ揉めさせる事もないか、と 無難に答えとく。 でも・・・・・、 『大事な用事?ふん、ウソね?  どうせ、めんどくさいからとか、  そんなところでしょ?』 『・・・・・・・・・。』 うわー、分かってんじゃん。 『・・・・・・・ご名答。』 『・・・・ふん。』 ・・・・・・・・・。 ん? つーか、そこそこ どころか相当 強いサクラが あんな へなちょこに捕まったのって・・・・・ 『わざと?』 『は?』 『わざと捕まったのか?』 『・・・・・・・・・・。』 急に、黙り込むサクラ。 あり? 図星? 『なんで?』 『・・・・・うっさいわね!何でもいいでしょ?』 『薫の愛を確かめたかっ・・・・ってぇ!!』 『うるさいっ!』 頭を グーで はたかれた。 図星か。 『アイツ、心配なんかしてなかったでしょ』 不貞腐れたように サクラが言う。 ま、なんか色々 察してるみたいだし、 ウソついてもしゃあねぇから正直に言ってしまおう。 『・・・・・まぁ、そうだな。  お前、そこそこ強いから大丈夫だろって  言ってたな。』 『・・・やっぱりね。でも、いくら私がそこそこ  強いからっていっても普通は助けに来るわよねー。』 『まあ、俺は行くかな。』 『・・・・・・・・・そうね。私、あんたの彼女じゃないのに  助けに 来てくれたものねぇ。』 『・・・・・薫も心配してない訳じゃないと  思うんだけどな・・・・多分。』 『どーだか。・・・・・・・・・よし、決めた。』 『なにを?』 『別れてやる!但し、気がすむまで殴ってから。』 『え・・・・・・別れんの?』 『もう冷めてんのよ。お互い。』 『はぁ・・・・?そうなのか?』 『そうよ!私が追っかけ回してただけで  彼女だったかどーかも怪しいけど!  でも この状況で助けに来なかったのは許せないっ!  絶対 殴ってやる・・・!  腕の2、3本へし折ってやるわっっ!』 段々 怒りが膨れ上がってきたようで サクラの顔が鬼へと変わっていく。 ・・・その顔・・・・・薫に そっくり。 似た者同士・・・・・・ 『ま、好きにしてくれ。俺は帰るわ。』 用は済んだしな。 来なくても、全然よかったけど。 ケンカ出来なくて不完全燃焼だ。 つまらん。 『ありがとう!腕の2、3本へし折ったら  あなたにも1本プレゼントするわ!』 『へいへい。そりゃ どうも。じゃーな。』 腕は、2本しか ねーし。 もらっても嬉しくねーし。 しかし、女に殴られる薫・・・かー。 それは ちょっと(いや、かなり?)見てみたい♪ 女に殴られる薫・・・・ ぷぷっ♪ 面白れー。 『ふはっ。はははっ。』 想像するだけで 可笑しくて こみ上げる笑いを抑えながら 俺は・・・・ 薫の家に向かうことにした。 一応、報告しといてやろ。 俺って いいヤツ~♪

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