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最高のプレゼント☆45
** 遊・side **
『ほぉ?過去ねぇ?』
『あ、晃くん・・っ・・・』
『はい!過去の話を・・・、ん?・・なに?ゆ・・・・
──────あっっ!』
心配する僕を見て
やっと言ってはいけない事を口にしたって
気づいた晃くん。
だらだらと冷や汗を流しながら、固まる。
『あ、あの・・・・あの・・・あ・・っ・・|||||』
『で?俺の過去の何を聞いたって?』
『か、薫さん・・・・あ、あの・・あのね?』
『遊は黙ってろ。』
完全に目の座った薫さんに
ビシッと止められてしまった。
辺りに漂う黒い邪悪な空気。
『で?何を聞いたって?晃くん?』
『ひっ・・||||きききき聞いてませんっ!』
晃くんは、全力で首を振る。
『ん?そうか?晴臣くんは?』
『・・・えっ!?──っ!!!ひっ、英道ぃ・・・っ|||||』
突然、矛先を向けられた晴臣さん。
恐怖でぶるぶる震えながら新見さんにしがみつく。
抱きつかれた新見さんは、やれやれって顔で
晴臣さんの背中を叩いて宥めている。
『・・・薫。話したのは俺だ。やるんなら俺にしろ。』
『余計な話すんなよ、てめー。』
『余計な事は言ってない。』
『・・・・・・・・・ちっ。』
薫さんは、しばらく新見さんを睨み付け
ドカッとカウンターのイスに座った。
そして不機嫌な顔のまま、グラスのお酒を煽る。
うーん。
どうやら新見さんとやりあう気はないみたい。
微妙な空気を残し、静まり返る店内。
何となく居たたまれなくなった、その時、
『いやあぁあぁあ─────っ//////!!!』
誰かの雄叫びが響き渡った。
何事かと 声のした方を見ると、なぜか目がハートになった桜子さんが、薫さんに飛びつくところだった。
『何だ、てめー。離せよ、サクラ。』
『その冷徹な目・・・!ドス黒いオーラ!
久々に見たぁーっ!!
私の好きな薫、そのまんまだわーっっ♡!!』
『ちっ。・・・・・・・てめーは相変わらずだな。
ウゼー、離れろ。』
『いやよっ!薫~っっ♡♡!』
『・・・・・・・・・』←新見さん
『・・・・・・・・・』←晴臣さん
『・・・・・・・・・』←晃くん
『・・・・・・・・・』←僕
一同絶句。
えーと
桜子さんって・・・・・・・・・変。
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