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最高のプレゼント☆51
** 遊・side **
『じゃあな。薫。
またな、晃、遊。』
帰り支度を さっさと済ませた新見さんが
晴臣さんを おぶって出ていく。
この間、1分弱。
・・・・早い。
『じゃあ、僕たちもホントに帰るけど・・・』
『よろしいでしょうか、てんちょーっ!?』
『おー。帰れ 帰れ。
俺の耳と目が腐る前に消えてくれ。』
薫さんは、しかめっ面で言ったわりに・・・・
出入り口の引き戸の前まで やって来てくれた。
『遊、気をつけてな。』
『え?あ、うん。ありがと。』
なぜか僕を気遣ってくれる。
うーん。
やっぱり悪い人ではないんだよね・・・。
『てんちょっ!俺は?俺は?』
『・・・・お前は 溝に落ちろ。』
『ええーっ!?ひどいっ!!』
うーん。
やっぱり いい人でもない・・・。
『薫さんてば・・・・・』
『うぅ・・・っ店長、ひどいっ・・・ !!』
『うるさい。
晃、明日は 店 休みだからな。
間違っても来るんじゃねーぞ?
今日は ゆっくり休め。』
『え・・・・・・・・・っ////あ!
はい!分かりました!てんちょーっ!』
『よし。じゃあな。』
───と、急に優しくなった薫さんは
晃くんの左手と僕の右手を掴んでにっこり笑って
目にも止まらぬスピードでカシャンカシャンと
手首に手錠をかけた。
『『・・・・・っ 、え!?』』
な、なに??
て、手錠っ !?
なんで???
なんで、手錠ぉぉぉっ !?
ハッと 薫さんを見ると
真っ黒な笑みを浮かべる 意地悪ドSな悪魔が
降臨していた。
『どーだ?
いっつも離れたくないって ほざいてる
お前らにピッタリな最高のプレゼントだろう?
はははっ!嬉しいだろう!さあ、喜べ♪』
『・・・え!?えぇ!?』
『なんだ、イヤなのか?』
『え・・・?い、いや!
もちろん・・・遊と離れたくないですけどっ!
なんか これは ちょっと違うよーな・・・・』
『ああ?なんだと?文句あんのか?あ?』
ゴオォォォォォォォォォォッッ!!
黒いオーラ・・・?みたいな
なにか淀んだモノが 見えたような気がした途端
『ひっ!ひえぇぇっっ!なんでもありません!』
晃くんが あからさまに怯えだした。
『よろしい。遊、鍵だ、ほれ。』
と、薫さんが僕に投げてきたのは・・・・鍵。
『・・・・・・・・・え??』
鍵、くれるの?
なんだ、それなら・・・
なんて安心した僕だったけど、
薫さんが そんなに甘い人ではない事を
すっかり 忘れていた。
『えっ !? ちょっと待って!?
これ、なんですかっ?てんちょーっ!』
手錠を真剣に見ていた晃くんが大きな声をあげる。
僕も、手錠に目を凝らすと
手錠の鍵穴の所に3桁のダイヤル式の鍵が
ついてるのが見えた。
え???
な、なにこれ・・・・・っ !?
2人して、見慣れない この珍妙なモノを
ジーッと見つめる。
『ダイヤルを合わせてからじゃないと
鍵突っ込んでも開かないからな?』
楽しそうに高笑いする
完全に悪魔と化した薫さんを前に
僕たちはもう
なにも言うことは 出来なかった・・・・・・・。
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