705 / 761
夏休み4人旅☆6
** 晃・side **
『わー。晃くん、毛布がある~。』
『あ!遊、枕もあるよ。』
『英道!英道っ!ジュースがあるっ!』
『おい・・・・お前ら、落ち着け。』
新見さんの眉間にグッと シワがよる。
だけどさ!
これはテンション あがるでしょー!
すげーっ!
楽しそーっ!!
ケンカしてるワケじゃないしー!
いいよねー!!
『あ!トイレがあるよ、晃くん!』
『ああ!スリッパに履き変えるんだ!』
『英道!英道!コーヒーもある!』
『・・・・・(怒)。おい、落ち着け。
引きずりおろされてーのか、お前ら。』
静かに 苛立ちを含んだ新見さんの声
(小声なのに迫力満点)に俺たちは
ピキッと固まった。
『『『・・・・・ご、ごめんなさい。』』』
引きずりおらされるのはイヤだ。
俺たちは素直に謝った。
新見お父さんに。
『よし。座れ。』
『『『はーい。』』』
このバスは、4列ゆったりシート
(2列+通路+2列)
長旅だから 乗り心地を優先した。
出発して しばらくは、装備にわくわくして
色々 試したりして、興奮していた俺と遊だけど
今は 落ち着いて 真ん中のモニターの映画を観て
時々くっついて話すのが楽しくって。
2人は何してるのかな~?
と、通路を挟んだ隣の座席を見ると
絶対 寝ない!と言っていたハズの晴臣さんが
すやすや眠っているのが見えた。
その隣の新見さんは
ガイドブックを真剣な顔で読んでいる。
うーん。
あの旅館の周りって
観光できる場所なかったよなぁ・・・・・。
つーか、
そもそもガイドブックに載ってるかなぁ?
そういえば
あの女将、元気かな・・・・
おの おじさんも・・・・
去年の あの旅行で 遊のこと いっぱい知れて
ますます好きになったんだよな・・・。
あー、懐かしい。
今年も いい思い出 いっぱい作ろう。
ね?遊♡♡
遊に視線を移す─── と、
いつの間にか遊も
気持ちよさそうに眠ってしまっていた。
『可愛い・・・♡』
ずり落ちた毛布をかけ直して
遊の可愛い寝顔を見てたら
俺も急に眠くなってくる。
毛布を被って
もう1度、遊の寝顔を目に焼きつけてから
目を閉じた。
おやすみ、遊。
夢の中でも会えたらいいなー♡
なんてね////!
ともだちにシェアしよう!