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夏休み4人旅☆10
** 晃・side **
山の中をひた走り、車は漸く旅館にたどり着いた。
『わー。懐かしいー。』
『空気がおいしいー。』
『え・・・・マジ?古くね・・・・?』
『へぇ。いい雰囲気だなー。』
それぞれ 色んな感想を口にする俺たちを
おじさんはニコニコしながら見ている。
『さ、どうぞ中に。』
促され、みんなで玄関をくぐると、
『まあ!まあまあまあ!
よくいらっしゃいました!
お久しぶり!元気だった??』
女将が 嬉しそうに走り寄ってきた。
相変わらず、パワフル。
『はい、元気でした!』
『元気でした~。』
『あらぁ、嬉しいー。ゆっくりしてね!』
女将とは思えないキャピキャピっぷり。
───と、今度は 新見さんと晴臣さんに向き直ると
一瞬にして 真面目な顔になり
丁寧に正座をして 三ツ指をついて、頭を下げた。
『遠いところを ようこそ いらっしゃいました。』
『・・・・はっ、はい!』
『・・・・ど、どうも・・・』
おじさん同様、あまりの変貌っぷりに戸惑う2人。
『では、お部屋にご案内いたします。』
『わー。楽しみだね、晃くん。』
『そうだね、ゆー。』
いい部屋、って言ってたし!
期待を胸に 女将に着いて行く。
以前は階段を上がったけど、今回は どうやら
1階らしく、奥へ奥へと進んでゆく。
『ここから、これを履いてくださいね。』
ススめられた履き物を履いて また歩き出すと
ふわっと風が頬を撫でた。
『わぁ・・・いい風・・♡』
『え・・・・、外・・・?』
『はい。離れをご用意しました。』
女将が驚く俺たちに、にっこり笑って見せる。
『は・・・・離れ !?』
離れって・・・・・・・・
離れって・・・・・・・・
なんかよく分かんないけど
テレビとかで 見るヤツじゃんっ!!
す、
すげ ────────── っっ!!
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