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夏休み4人旅☆11
** 晃・side **
ん?
っていうか・・・・・離れ?
離れなんてあったっけ?
『ね、遊。』
『んー?なぁに?晃くん。』
『離れなんて、あったっけ?』
『んー、・・・・どうだっけ?』
去年、
旅館の周りを遊と散歩した時に見た記憶がない。
え。あれから建ったの?
ええー?
『こちらです。』
案内された離れは・・・・
そんなに新しくなさそうな
でも そんなに古くもないような・・・
あれー?
ど、どうなんだろう・・???
・・・・・・・聞いてみよっ♪
『女将。去年もありました?ここ。』
すると、
お茶を淹れていた女将が キョトンと俺を見た。
『はい?離れの事ですか??』
『はい。あ。や、去年 散歩した時
ここ、見た記憶がなくて・・・・』
『・・・ああ!そうですね。
普通に散歩しても ここには
入れないようになってるんですよー。』
『あー、なるほど。』
それでか。
納得 納得。
それにしても・・・・・離れかぁ♡
改めて、中を見渡す。
ここは、4人で泊まれる部屋で
今いる部屋を挟んで、2人ずつの寝室がある造りだ。
『はい。お茶を どうぞ。』
『あ。ありがとうございます。』
『ありがとうございます。』
『ありがとうございまーす♪』
『どうも。』
みんなでお茶を飲んで、ホッと一息。
その様子をニコニコ見ていた女将が
食事の時間とか、お風呂の時間とか
いくつか連絡事項をして
「では、ごゆっくり」と立ち上がった。
そして、見送りに出た 俺と遊に
こっそり耳打ち・・・・・・・。
『あの、貸しきり風呂の時間も
とってありますので、ご利用下さいませね♡』
『え・・・・・・・・・』
『貸し切り・・・風呂?』
『うふふふ♪はい。それぞれ1時間ずつ。
時間は、こちらです。』
と、メモを渡された。
『・・・・・・・・ん?それぞれ?』
『はい♡2人ずつ、それぞれです♪』
『は・・・・・・・・・はあ。』
???
嬉しいけど・・・・なんで貸しきり風呂??
とか思っていたら
女将が「うふふ」と、楽しそうに
そして、意味ありげに笑う。
『だって♡
同じ部屋だとお互い
イチャイチャ出来ないでしょー??
だから、お風呂で のんびり2人っきりの時間を
お楽しみ下さいね♡♡』
『・・・・・・・・・え?』
『・・・・・・・・・/////』
『楽しんでね!何してもいいから!』
『・・・・・・・・・え/////?』
『・・・・・・・・・っ////////』
「うふふ♡うふふ♡なんてね~♡」と
楽しそうに バシバシ俺の肩を叩いてから
固まる俺たちを置いてきぼりにして
下駄で器用にスキップをしながら
本館の方へ戻っていってしまった。
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