＊＊ 新見・side ＊＊ ☆ ☆ ☆ 『ひ、英道･････』 『ん？』 『そろそろ離せ･･･』 『なんで。』 『もう･･･戻ってくる･･だろ･･。遊と･････････晃。』 『ん？んー･･･ああ、そうだな。』 名残惜しいけど、そっと ハルの体を下ろす。 ぐったりと俺に凭れかかっていたハルは 畳に座ろうしたものの自分の体を支えきれずに コテンとひっくり返ってしまった。 『大丈夫か？』 声をかけると、ひっくり返ったまま動けないハルの 恨めしそうな声だけが聞こえてくる。 『誰の･･･せいだ･････アホ ///。』 『んー？はは。俺だな♪』 『････････アホ ////』 さっきの･････････ ハルからしてくれた一瞬のキス。 嬉しかった、けど あんなんで足りるワケもなく だから、俺から仕掛けた。 かなり、濃厚なヤツを たーっぷり これでもかってくらい時間をかけて(笑)。 俺のキスで ヘロヘロになったハルを見るのは好きだ。 可愛い。愛しい。 『ハル。愛してるぞ♡』 『･･･････アホ ///』 俺の言葉に 体中 ピンクに染まったハルが 俺に聞こえるか聞こえないかギリギリの小声で 「･･･俺も」と呟いたのが 聞こえた。 ヤべー、可愛いじゃねーか。 このまま、ここでヤッてしまおうか。 別に見られても関係ねーし。(俺は) なんて、危ない事を考えていたら ドタドタ足音がして 晃の「戻りましたーっ！」という 大きな声がした。 『開けても大丈夫ですかー !？』 なんの確認かと思ったが･･･どうやら 晃なりに気を使っているらしい。 『いいぞー。』 そう答えても 戸が　遠慮がちに少しだけ開いて 顔だけ 覗かせてくる晃。 そして、倒れているハルに気がついた。 『え？晴臣さんっ !？』 晃の慌てた声に、遊も顔を出す。 『あ！晴臣さんっっ！どうしたの？』 未だに起き上がれないハルに慌てた様子で近づく遊。 『い、一体 何があったの？？？』 と、心配そうに俺を見る。 『あー。大丈夫、大丈夫。 　俺がキスしただけだから。濃厚なヤツを。』 『あ、なんだ～。』 『ビックリしたー。』 焦っていた２人が、安心したように、へたんと座る。 そして、呼び掛けても 伏せて動かない ハルを ちょいちょいと 突っつく。 『晴臣さん。お風呂、気持ちよかったよー。』 『ほら、起きて起きて。』 しばらく その状態が続く。 もう、出る時間が迫っているというのに。 『おい。そろそろ行くぞー。』 『･･･俺･･･風呂 行かない･･･』 ハルは、いじけモードに入ったのか 動く気はないらしい。 『えー！行かないとか、ないでしょー！』 『うるさい ････晃･･･』 晃が急に騒ぎ出す。 『行って！ほら、早く起きて！』 『･･るさい･･･行かない･･･』 そして、急かす。 『えー、行ってよ！お願いだから！』 『やだ･･････』 『お願いっ！お願いしまーす！！』 『･････いやだ。』 『晴臣さん、お願いーっ！！』 『･･･しつこい。』 『はーるーおーみーさーんっ！』 なんだぁ？？ お願い、お願い、って えらい必死だな。 どうしたんだ、晃のヤツ。