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夏休み4人旅☆31
** 晃・side **
楽しい2人きりの時間は あっという間に過ぎて・・・
「ただいまー!」と大きな声がして
バタバタと騒がしく 晴臣さんが入ってきた。
『おかえり~。』
『おかえりなさ~い。』
『おう!ただいま~!』
元気だな・・・。
フラフラになって新見さんに抱き抱えられて
帰ってくると思ってたのに。
新見さんをチラリと見ると
新見さんはやれやれって感じで肩を竦めて見せた。
シなかったのかな?
少し スッキリしてるようにも見えるけど・・・
でも満足してないようにも・・・・
うーん、どっちだろ。
なんて、思っていたら、
『なあなあ!アイス買ってきたっ!』
晴臣さんは嬉しそうに
ガサガサと袋からカップアイスを出して並べる。
え。
まだ食べるの・・・・?
胃袋も元気だなー。
『食べよーぜーっ!』
『わー♪美味しそう~♡』
まあ、遊も喜んでるし・・・・いっか。
並べられた4つのアイス。
どれにしようか悩んでいると、晴臣さんが
『俺はこれとこれっ!』
と、イチゴとチョコを取ってしまう。
『・・・・・・・んん?』
と、なると 残るアイスは2つ。
『あれ・・・・?』
数が合わない。
遊と2人して固まっていると
『あ、俺いらねーから。』
新見さんが持っていた袋から
缶ビールとつまみを出してテーブルに置いた。
あ、なるほど。
新見さんはそっちか。
『いっただきまーす!』
嬉しそうにアイスを食べる晴臣さん。
あっという間に1つめを平らげ、2つめに手を伸ばす。
『ハル、ゆっくり味わって食えよ?』
『ん・・・っ!?・・・・ん、うん・・・!』
新見さんに注意されて、口いっぱい頬張ろうとしていたアイスを慌ててカップに戻す。
その仕草が可愛くて 思わず笑ってしまう。
『食ったら歯ぁ磨けよ?』
『・・・・っ、分かってるよ!子供じゃないし!』
ぷくっと膨れてアイスを口いっぱい頬張る晴臣さん。
ぷっ。
やっぱり子供・・・・・・
なんて(こっそり)思う俺だった。
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