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夏休み4人旅☆38
** 晃・side **
『・・・・・・・・ショボいな。』
『・・・・うん、ショボい。』
『・・・・・・・・・・。』
『・・・・・・・・・・。』
昼ごはんを食べ、
意気揚々と隣の遊園地に やって来た俺たち。
だけど、この遊園地ってのが・・・・
なんと言うか・・・かなり子供向け??・・・・で
んーと・・・・んーと・・・・ショ、ショボい。
うん、ショボい。←新見さん、ごめんなさい。
『どうする?ハル。』
『んー・・・・・・・』
入れば、それなりに楽しめそうではあるけど・・・
ま、2人に任せるか。
遊と目を合わせ、頷きあう。
『とりあえず、入って・・・』
晴臣さんが言いかけた、その時。
『すみませぇーん!』
『あのぉ・・・写真 撮ってもらえますぅ?』
『ご一緒してもいいですかぁ?』
3人組の女の子が、変にクネクネしながら
新見さんに近づいてきた。
『・・・・・・・は?』
途端に、晴臣さんが不機嫌になる。
『いや、連れがいるんで。』
新見さんも 晴臣さんのため、きっぱりと断るが・・・・
『いいじゃないですかぁ!』
『女の子と一緒の方が楽しいですよぉ?』
『みんなで回りましょうよぉ!』
諦める気配もなく、クネクネ新見さんを取り囲む。
『うっせーよ!このクソ女ども!』
『もう!帰るとこだから!』
新見さんが怒鳴り、
晴臣さんも女の子をかき分け
新見さんの手を引っ張って 歩きだす。
『はあ!?何よぉ、もう!』
『何あれぇ~!』
『感じ悪ぅ~い!』
口々に文句を言いつつもズンズン歩いていく2人に
さすがに 女の子たちも諦めざるを得ず去っていった。
『すごいね・・・』
『うん・・・・・・・』
──にしても、新見さんって
ホントにモテるなぁ・・・。
モテるのは ちょっと羨ましいけど
出かけるたび あれじゃぁ
大変だなぁ・・・・
( 晴臣さんが )
遊園地はやめにして(またナンパされたら大変だし)
車に戻ったのだけど・・・・・・
晴臣さんの不機嫌は直らなかった。
途中、新見さんが買い込んだ おやつやジュースも
受け取らず、助手席で そっぽを向いて座っている。
不穏な空気の中、信号で停まった時
ようやく晴臣さんが口を開いた。
『ふんっ!なんだ、バカヤロー!』
『ハル・・・・』
『ふんっ!英道は俺のだっつーの!』
『ハル・・・・!』
『何、勝手に声かけてきてんだよ。大体なぁ!
お前、モテすぎなんだよ!・・・ハゲろ!』
『え。ハゲたら俺の事 嫌になんないか?』
『なんねーよ!ハゲても英道は英道だろーが!』
『ハル・・・・っっ!』
ひしっと抱き合う2人。
『・・・・・・・・・・』
『・・・・・・・・・・』
なにこれ。
ずっと ただ傍観してたけど、
なんなの、これ。
心配してたのに。
あまーい!
甘いよ、甘すぎるよ!
そして、信号!
青になってますけどぉっっ!?
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