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夏休み4人旅☆44

** 晴臣・side ** 遊がニコニコ差し出すモノ、 それは・・・・・ 『な、なあ・・これって・・・』 『ん~?浴衣だよ?』 『それは見りゃ分かるっ!  俺が言いたいのは、これ女物だろ?って事!』 『ん~?そうだよ?』 遊は、ニコニコ俺を見る。 『いや、“ そうだよ? ” じゃなくてっっ!』 『ん~?・・じゃ、なくて、なに?』 『・・・・・・・っ・・・いや・・・・だから・・さ・・・』 『うん。だから、なに?』 『・・・・・・・っ・・』 な、なんだ・・・・? さっき、「脱いで?」って言われた時も ちょっと思ったんだけど・・・ なんか いつもと違って、 遊の笑顔が怖い気がするんだけど・・・・? 『晴臣さん。つべこべ言ってないで着て?  で、これ着て新見さんと堂々とデートしよ?  晴臣さんだって花火大会、っていうか出店に  行きたいんでしょ?』 『・・・うっ///』 そ、そこを ツかれると痛い・・・! そりゃあ、 俺だって行きたいさっ! 花火も出店も 英道と一緒に行きたいっ! (英道がナンパされなきゃなっ!) ・・・・・・・・・あ。 女物の浴衣・・・・・・・・・ これを着れば、英道と・・・・・ 花火大会に 行ける・・・・? 俺が女になれば・・・・・・・・・ あ、でも・・・・・・・・・ 『俺・・・が、これ着て、気持ち悪くない・・かな・・・?』 女物の浴衣を着た俺が 英道に どう見えるか、 そこも 心配・・・・。 『あら!大丈夫よー!  メイクもバッチリ、可愛くしてあげるから!』 女将が ものすごい早さで メイク道具を俺に見せてくる。 『ほらほら!ウィッグも あるのよ!?  ほら!可愛いでしょっ !?』 『・・・・・は・・・、はい・・・・』 勢いに押されて思わず頷いてしまう。 意気込みが すごい。 遊とは違った意味で 怖い。 『ほら。晴臣さん、女将を信じて!  一緒に行こ?ね?』 『・・・・・う・・・・』 花火大会・・・ やっぱり、英道と一緒に・・・行きたい。 群がる(←?)女どもに、 「英道は俺のもんなんだぞ!」って 見せつけてやりたい。 『分かった・・・・俺、これ着るっっ!』 覚悟を決め、俺は女将と遊に力強く 宣言した。 『わー♡やったぁ!』 『やったわねー♡!』 『・・・・・・・・・うしっ!やるぞー!』 俄然、やる気が出てきた! ・・・あ、そうだ。 ハイタッチをして喜ぶ2人に、俺は もう1つ 叶えたい お願いをしてみる事にした。

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