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夏休み4人旅☆45
** 晴臣・side **
“ せっかくのデートなんだから、
2人っきりで楽しんで♡ ”
───なんて、
遊と晃の提案で 別行動をとる事にした俺たち。
(とはいえ、アイツらも2人っきりで楽しみたい
ってのが本音だろうけど)
そんなワケで、今の俺は誰がどう見ても
“ 女の子 ” だから
しっかり手を握って
甘えるように ピッタリ くっついて。
英道が クスッと笑って「猫かよ」って
小さく呟いたのも聞こえるくらい 近い距離。
誰の目も気にならない。
ホントに 普通にデートって感じ。
嬉しい。
楽しい。
そして!何よりも 俺の気分を高揚させるのは
チラチラ視線は感じるものの
誰も 英道に声をかけてこないって事。
はっはっは!
はーはっはっ!
ざまぁみろ!
なんか、すごく気持ちいいぞー!
『あ。そういや~、ハルのもう1つ 叶えたかった
願い事ってなんだ?』
心の中で高笑いしていた俺は
英道の声で ハッと我にかえった。
『へ?・・・あ、あぁ・・・・うん。
───あのな////?』
さすがに、普通に口に出すのは恥ずかしくて
英道の浴衣を引っ張って、耳に口を寄せる。
そして、叶えてもらった お願い事を
コショコショっと囁けば・・・・・
英道は ポカンと俺を見つめた後
ブーッと盛大に吹き出した。
『あははは!お前・・なんだそれ・・っ、あははは!』
『わ、笑うなよっ////!』
お前からしたら笑い事かもしんないけど
俺にとっちゃ、深刻な問題なんだっつーの!
『あははは!ちょっ・・・全然 気づかんかった!
本当に !?』
英道が 興味津々に 女将にお願いした
「そこ」を マジマジと覗きこんでくる。
『うっ////も、もう!見んな!バカッ/// !!』
『おー!本当だ!“ 巨乳 ”に なってんじゃんっ!』
『・・・・・・っっ//////』
────そう。
そうなのだ。
女装するにあたって、俺が望んだこと、
それは・・・
ぺったんこ の胸を 大きくする事 だった。
ずっと前にナンパしてきた女どもに
女と間違えられた挙げ句、
「貧乳」とバカにされた俺──は、いたく傷ついた。
だから
どうせ女装するなら完璧に!!
文句のつけどころがないほど完璧に!!
そう決意したのだ!!
『あははは!すげーな!』
笑いすぎて 目尻に浮かんだ涙を拭いながら
パッドを詰めに詰めこんで大きく なった胸を見て
また笑い出す英道。
『ははは!なにこれ。どうなってんだ?タオル?』
『うっさい////!笑うなっ!パッドだよっっ///!』
『へー。バッド~。へー。』
『・・・・・・///』
く・・・・・・・・・////
女どもには見せつけたいのに
英道に見られると
なんか・・・・・・・・・
すごく
すごく
すごーく
は、恥ずかしい・・・・っっ/////
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