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夏休み4人旅☆50

** 晴臣・side ** 音につられて 見上げれば、夜空に咲く 大輪の花。 『あ・・・・・』 『花火、始まったな。』 続けざまに ドンドンッと、うち上がる花火に 怒りも忘れて 見惚れる。 『・・・キレー 。』 『だな ♪ 』 ホントに キレー・・・・・・。 来てよかった。 英道と・・・見れて よかった。 英道に きゅっと しがみつくと 英道も 抱き返してくれる。 『ハル、こっち。』 『・・・・え?』 抱き合ったまま、しばらく花火を見ていた俺たち・・・ だけど、不意に英道が俺の手を引いて 歩き出す。 『え?どこ行くんだ?』 『いいから、こっち。』 迷いなく、進んでいく。 ・・・人気のない 木の繁る・・・闇の中へ。 え・・・・・・? な、なに? く、暗い・・・・! 真っ暗じゃん! 怖・・・・っ、怖いって・・・・! 『ひ、英道・・・っ !?』 『・・・・・・・』 ・・・・??? なんで黙ってんの? なんで何も言わないの !? なんで !? つーか、どこ行くんだよ・・・! ま・・・・・まさか・・・! さっきの続き !? 俺のを食え、とか 言ってた あれの続き!? いや! ・・・・・・ないっ! ないから! 外とか あり得ないからっっ! 『ひ、英道・・・っ!』 必死に、歩みを止めようと 足を踏ん張る。 と、そのタイミングで英道が立ち止まった。 『ぶっ・・・・!』 引っ張った反動で 思いきり 背中に激突。 『いっ・・・!いてて・・・・』 『・・・・・?何してんだ?』 『お、お前が急に止まるからだろーが!  つーか、何だ!どこに連れてくつもりだよ!  この エロ野郎!』 『・・・・・エロ野郎?』 英道が キョトンと俺を見る。 『そうだよ!俺を暗がりに連れ込んで!  どうするつもりなんだって聞いてんだっ///!』 『・・・・・・は?  ・・・・・いや、花火を見に。』 『・・・・・っ!やっぱりか!花火を見に・・・・・・・・・っ  て、・・・・・え?花火?』 あ、あれ? 花火? 花火??? 『はあ・・・・・・・・・』 英道は、呆れたように俺を一瞥した後 うっすら灯りの見える先を指差した。 ・・・・・・・・??? え、 な、なに・・・・・・? なんなの???

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