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夏休み4人旅☆57

** 晃・side ** あれから。 遊に起こった事がなんなのかを 誰からも教えてもらえず 不満そうにしていた晴臣さん・・・・・・だったけれど 新見さんの「後で説明してやる」の ひと言と 遊の様子が 落ち着いていた事もあって なんとか納得してくれた。 そして、他のお客さんたちと臨時の送迎バスに乗り 旅館に戻って来た・・・ら 『どうでした?楽しめました?』 待ってました!と ばかりに 女将が跳ねるように駆けてきた。 『あ。・・・・まぁ、8割は。』 『巨乳に助けられました!』 晴臣さんと新見さんが ほぼ同時に発した言葉に女将は 「あら、やだ!」と、ケラケラ笑う。 そして、晴臣さんのメイクを落とすために さっき着替えた部屋へと 3人で消えていった。 『行っちゃった・・・』 『行っちゃったね・・・』 残された俺たちは、汗と・・・汗以外のあれこれを 洗い流すため 露天風呂へ。 他の客がいたから イチャイチャは出来なかったけど (残念!)さっぱりして 部屋に戻った。 『楽しかったね~ ♪ 』 『うん。楽しかった~ ♪ 』 風呂あがり。 遊と2人で、のんびり、まったり、 ああ~幸せ♪ ・・・・でも 『あ~あ。もう終わりか~』 『ふふ。あっという間だったね。』 夢のような楽しい時間は終わる。 ホントに あっという間に。 『現実に戻らなきゃだー。  バイトに課題に・・・うー!』 『あはは。まだ夏休みは長いんだから、  また どこかに行こうよ。』 遊が、キレイな顔で笑う。 とてもキレイで・・・キレイすぎて・・・・ なんでだか遊が・・・遠くに感じて これって、 花火を見てる遊を見た時も感じた・・・ 変な・・・感じと似てる・・・。 『・・・・・・・・・・・・』 『晃くん?』 遊の手を引いて、自分の胸に引き寄せ、 遊の温もりと 微かな甘い香りを確かめる。 『晃くん・・・どうしたの?』 『・・・・・・いい。』 『・・・・・・え?』 『遊がいれば、いい。  どこにも行かなくても・・・いい。』 遊が いれば。 『晃くん・・・・・ふふ。僕も・・・』 遊が甘えるように 俺の胸に 顔を擦りつける。 『・・・・甘えんぼ。』 『それは晃くんでしょー?』 『遊・・・・ずっと傍にいてね・・・・・』 『・・・・・・うん・・・ずっといる・・・・』 『大好き、ゆー・・・・・・』 『僕も大好き・・・・晃くん・・・・』 2人で抱きあって、キスをして、笑って。 夏の旅の 最後の夜は・・・ 甘く甘く更けていった。

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