9 / 761

大好きなのに・・・☆8

(バイト休みだった♪今から帰るね) 駅について、遊にメールをいれた。 突然 帰って驚かせようか、とか思ったけど 何だか無性に知らせたくて。 俺が 今から帰るのを、待っててほしいなぁ ・・・って。 すぐにスマホが震え 返事がきた。 (待ってるね。ご飯は食べた?) あぁ・・・・かわいい //// !! どうしよう、ホントに。 メールの文字まで かわいいと思う俺は… 変でしょーか・・・・。 (食べてなーい。何か買って帰ろうか?) 遊はもう食べちゃったかな? (ううん。晃くんのも作ってるよ) わーい。 遊の手料理っっ! ・・・・・・って、あれ? 俺、バイトの時は、賄いが出るから 晩ごはん 食べないんだけどな・・・? 作っててくれたんだ~。 舞い上がってる俺は、深く考えずにやって来た電車に飛び乗った。 * * * バイト先の居酒屋がある駅から電車で3駅。 駅からは、歩いて10分。 2人で住む3階建てのマンションが見えてきた。 2人暮らし用の学生マンションが見つからなかったから、築10年 2DKの 普通の賃貸マンション。 築10年とはいえ、キレイで何の問題もない。 家賃も(親が払ってるけど)折半だから、安くて 逆に感謝されたくらいだ。 エレベーターに乗って 一息つく。 何か・・・色々ありすぎて疲れたな・・・・ 店長のお陰で ここ数日のもやもやは少し晴れたけど。 部屋に着いて、鍵を開けて中に入る。 『ただいま~』 鍵を閉め、前を向いた途端、何かが勢いよく ドーン!と ぶつかってきた。 『ぐはっ・・・ !!』 店長に押さえつけられていた胸に、キリッと痛みが走り、踏ん張りきれず 体がのけ反る。 そのまま1歩、後ろにさがると 後頭部が玄関ドアにぶつかった。 『いっ・・・・!』 痛いっっ !! マジで めっちゃ痛い・・・っ!! 店長に バシバシ叩かれ、ゴンゴン殴られた俺の頭は かなりのダメージを蓄積していたようで、ぐわんぐんと 耳鳴りが鳴り響く。 『え?・・・・晃くん・・・?』 あ・・・・・・・この声・・・・・ どうやら・・・・ 胸に飛び込んできたのは・・・遊だったみたい・・・・。 『あ!・・・あ、晃くん?晃くん!』 気が遠くなって ズルズルと体が崩れ落ちていく。 『晃くん!・・・あ・・・きら・・・く・・・』 だんだん 遊の声が遠くなって 俺は意識を手放した・・・・。

ともだちにシェアしよう!