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大好きなのに・・・☆8
(バイト休みだった♪今から帰るね)
駅について、遊にメールをいれた。
突然 帰って驚かせようか、とか思ったけど
何だか無性に知らせたくて。
俺が 今から帰るのを、待っててほしいなぁ
・・・って。
すぐにスマホが震え 返事がきた。
(待ってるね。ご飯は食べた?)
あぁ・・・・かわいい //// !!
どうしよう、ホントに。
メールの文字まで かわいいと思う俺は…
変でしょーか・・・・。
(食べてなーい。何か買って帰ろうか?)
遊はもう食べちゃったかな?
(ううん。晃くんのも作ってるよ)
わーい。
遊の手料理っっ!
・・・・・・って、あれ?
俺、バイトの時は、賄いが出るから 晩ごはん 食べないんだけどな・・・?
作っててくれたんだ~。
舞い上がってる俺は、深く考えずにやって来た電車に飛び乗った。
* * *
バイト先の居酒屋がある駅から電車で3駅。
駅からは、歩いて10分。
2人で住む3階建てのマンションが見えてきた。
2人暮らし用の学生マンションが見つからなかったから、築10年 2DKの 普通の賃貸マンション。
築10年とはいえ、キレイで何の問題もない。
家賃も(親が払ってるけど)折半だから、安くて 逆に感謝されたくらいだ。
エレベーターに乗って 一息つく。
何か・・・色々ありすぎて疲れたな・・・・
店長のお陰で ここ数日のもやもやは少し晴れたけど。
部屋に着いて、鍵を開けて中に入る。
『ただいま~』
鍵を閉め、前を向いた途端、何かが勢いよく ドーン!と ぶつかってきた。
『ぐはっ・・・ !!』
店長に押さえつけられていた胸に、キリッと痛みが走り、踏ん張りきれず 体がのけ反る。
そのまま1歩、後ろにさがると 後頭部が玄関ドアにぶつかった。
『いっ・・・・!』
痛いっっ !!
マジで めっちゃ痛い・・・っ!!
店長に バシバシ叩かれ、ゴンゴン殴られた俺の頭は かなりのダメージを蓄積していたようで、ぐわんぐんと 耳鳴りが鳴り響く。
『え?・・・・晃くん・・・?』
あ・・・・・・・この声・・・・・
どうやら・・・・
胸に飛び込んできたのは・・・遊だったみたい・・・・。
『あ!・・・あ、晃くん?晃くん!』
気が遠くなって
ズルズルと体が崩れ落ちていく。
『晃くん!・・・あ・・・きら・・・く・・・』
だんだん 遊の声が遠くなって
俺は意識を手放した・・・・。
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