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もひとつ おまけ

気持ちを確認しあった あの日。 寝る前のベッドの中でのお話。 腕枕をした俺の左側にぴったり寄り添う遊。 『遊・・・・・・』 『んー?なにー?』 『そういえばさぁ・・・倒れた俺を玄関から ここに運ぶのって大変だったでしょ?』 『え・・・・・・・?』 実は、さっき ソファーで向かい合わせで遊を膝の上で抱いてた時。 もう寝ようか、って遊を抱いたまま 立ち上がろうとし、出来なかった俺。 なんか ちょっとショックだったんだよな。 遊よりは 力はあると思うんだけどなぁ。 俺は、身長もそれなり、体格も細いほうだけど、それでも軽いって訳ではないだろう。 遊は俺よりちょっとだけ背が低く、俺より線が細い。それなのに・・・・・ 『ああ・・・・・・・・・うん。 必死だったからよく覚えてないけど・・・ 頑張った・・・・・』 『そっか~。ありがとー。 すごいね~ 遊は。』 『あはは。なんとかなるもんだよねー。』 『そっか そっか~。』 覚えてないくらい必死だったんだ・・・! やっぱり やさしいなぁ、俺の遊は! 愛されてるなぁ、俺! ――――大満足な俺だった。 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * そして、ニヤニヤ翌日。 遊のバイト先(本屋)での1コマ * * * 店員A『おいー。誰だよ、この段ボール ここに置いたの!邪魔だろー。』 店員B『ホントだ。じゃあ、裏に・・・・ ―――― 重っっ!』 店員A『あはは。何やってんだよー。 ―――― 重っっ!』 店員B『2人で運ぶか・・・・・・』 店員A『そうだな・・・・・・』 はぁはぁと息をつく2人。 そこへ、歩いてくる遊。 遊 『あ、それ僕が運びまーす。』 店員A『篠宮くん?それ、かなり重いよ?』 遊 『ああ。大丈夫です。』 店員B『え・・・でも・・・・・・・』 かなりの重さのある段ボール。 それを、ひょいと持ち上げる。 遊 『裏に持って行けばいいですか?』 店員B『・・・・は、・・・・・はい・・・・』 まるで、空の箱を持つように軽々 抱え すたすた歩いていく遊を 唖然と見送る店員A&B 店員A『すげーな アイツ、細いのに・・・』 店員B『あの顔で ちからもち・・・』 人は見かけによらない、 そう実感した2人は 篠宮くんには逆らわないようにしよう 心に誓うのだった。 ***おまけ・おわり***

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