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大好きだから・・・☆8

どうしよう・・・・ ホントは、追いかけて 今すぐ抱きしめたい。 でも・・・・・ 自分の手を見る。 昨日、何度と抱きしめようとして 遊に はたかれた所が赤くなっていた。 また拒絶されるのが怖くて、結局 追いかける事も出来ず、ただ じっと座ったまま動けなかった。 それから遊の姿を見ることはなくて、昼は久しぶりに中野とご飯を食べた。 食欲なんて あるはずもなく、うどん ですら、かなり残してしまって中野に心配をかけた。 『お前、早く仲直りしろよ』 『許してくれる気がしない・・・・』 『だから 何やったんだよ~』 ・・・・・・だから、言えませんてば。 『まぁ、俺は久しぶりにお前とゆっくり 話せて嬉しいけどな~?』 『・・・・へ?』 『お前ら、高校の頃から、いっつも2人でベッタリしてたからさ~。お前と俺、そこそこ仲良かったのに』 『ああ、まぁ・・・・そうだな』 遊とつきあってから、俺のすべては遊のもので・・・・・他のヤツに使う時間なんて これっぽっちも必要なかった。 『暇ならカラオケでも行かね?』 『・・・・・・ 行かない』 それは今も、だ。 *** 午後も、遊はいなくて・・・。 心ここにあらず・・・な状態で講義を受けて、 バイトにやって来た。 ホントは バイトどころじゃないんだけど 急に休むと店長がうるさいし・・・・・ なんて・・・・な。 遊と向き合う勇気がなくて逃げてるだけなのかもしれない・・・・。 誘いを冷たく断ったからか、さすがに中野も もう声はかけて来なかった。 けれど、心配そうに手を振ってくれて、少しだけ気持ちが和らいだ。 トボトボ歩きながら、居酒屋の裏口まで もうすぐの所で、 『お邪魔しました』 聞き慣れた声がした。 え?この声・・・・・・ 出てきたその姿を確認すると・・・ ・・・・・・・遊っっ!! 『いーえ。・・・・よう、晃』 続いて、店長が出て来て 俺に向かって、ニヤリと笑った。 遊が振り向く。 『晃くん』 な、何で? 遊が・・・・ここに? しかも店長と? え? え? 何で? 『ははは。パニくってるわ』 店長が面白そうに笑い、遊も・・いつものように穏やかな笑顔を見せる。 え?なにこれ? どうなってんの??? 『晃』 『・・・・は・・・い?』 店長に呼ばれ、戸惑いながら 見る。 『お前、今日 休んでいいから』 『・・・・・・・・・え?』 店長は 心底 楽しそうに ニヤニヤ笑いながら 言った。 黒いオーラは出てないから ホントに機嫌がいいらしい。 『今日は帰れ』 『え・・・・・・でも』 『いいから帰れ』 しっしっ、と手を振る店長。 何がなんだか 分からずに 動けずにいると、 遊が俺の腕に 手を絡めてきた。 『晃くん、帰ろ?』 『え・・・・・・あの・・・』 店長は、さっさと店の中へ消えていく。 ──が、すぐに、顔だけ ひょこっと覗かせ 『遊、報告しろよ』 と、一言。 パタン、とドアが閉まった。

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