32 / 761
大好きなので☆2
結局、一睡も出来ずに朝になった。
いくら考えても答えなんか出るはずもなく、悪い方へ悪い方へと考えてしまう。
そんな自分が嫌で、果てしなく落ち込んでいた。
晃くんにも申し訳なくて、いつも通りに出来る自信がなくて、時間は かなり早かったけど、逃げるように家を出た。
校内で時間をつぶし、
始まる直前に教室に滑り込む。
いつもなら僕の隣には晃くんがいるのに
・・・・なんて。
自分から離れて座ったくせに。
でも、離れた距離が、今の自分たちの距離そのもの・・のように感じて、悲しかった。
講義が終わってすぐ、中野くんが晃くんに話しかけているのを見ると、
晃くんに近づかないで!
と、睨み付けてしまった。
中野くんが離れて行き、ホッとしていると、
晃くんが僕の方を見ていたのに気がついた。
我に返ると・・・、自分のした事が、急に恥ずかしくなって、急いで教室から逃げ出した。
このままじゃ ダメだ。
はっきり させないと・・・!
時間をおけば、ますます動けなくなりそうで、
何より、こんな状態を一刻も早く 何とかしたくて僕は大学を出て、晃くんのバイト先に向かった。
*****************
居酒屋の前にやって来た。
入り口に立つと…
『あ・・・閉まってる。』
そりゃそうか
営業時間は5時から。
まだ、昼過ぎだ。
『どうしよう・・・・・』
勢いで来てしまったけど。
とりあえず、裏口の方にも、回ってみる事にした。
『・・・・やっぱりダメか』
当然だけど、裏口も鍵が閉まっていた。
ズルズルとドアにもたれて、しゃがみこむ。
『はぁ・・・・』
一晩中、眠れなくて、今日は朝から何も食べていないからか、急に体が重くなって、自分の膝に顎を乗せて目をつぶった。
*****
どのくらい時間が経ったのか…
うとうと していたようで
『おい』
低い声で、目が覚めた。
ともだちにシェアしよう!