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大好きなので☆3
『・・・・・・・・・・・?』
ぼーっとした頭で、ゆっくり顔を上げると、
“俺様”な雰囲気の男の人が僕を見下ろしていた。
『お前、誰だ』
『・・・・・・・・・・』
えっと・・・・なんだっけ?
頭が回らない。
『ああ!もしかしてバイトの面接?』
『え・・・・・・・?』
『そーかそーか!はいはいどーもー、
私が店長です~ ♪ 』
漫才の挨拶みたいな自己紹介(?)をした、
その人に、腕を掴まれ、立たされる。
まだ、眠気の残る僕は、されるがままで 気がついたら、開いたドアから中に押し込まれていた。
『はい、座って座って ♪ 』
カウンターの椅子を勧められる。
『・・・・・・あ、あの・・・・』
声をかけようにも店長さんは 店の奥に消えて、また すぐに戻ってきた。
『あ、座って?』
『・・・・・・・・・はい』
目の前に、冷たいお茶が置かれ、仕方なく座る。
『いや~、近くのアパートのダチがさぁ、
店の裏口でずっと座ってるヤツがいるって
電話してきてさぁ、確認しに来たんだけど。で、いつから来れる?』
『は・・・・はい・・・・?』
・・・・・・・なに、この人??
何て言うか・・・強引な人だなぁ。
呆気に取られて、何も言えずにいると、
『ん?・・・・違うのか?』
片方の眉を器用に上げて聞いてくる。
『いえ、あのですね・・・』
今がチャンス!
言わなきゃ・・・・!
『ああ、もしかして迷ってる?』
『・・・・・・・・・え?』
『そうか。うーん、お前 真面目そうだしな』
『あ、いえ、あの・・・っ!』
『接客した事ある?』
『いや、えーと・・・』
『酔っ払い へーき?』
『いや、だから・・・・』
『ま、すぐ慣れるから大丈夫だけどな ♪ 』
がはははは、と笑い出す店長さん。
『・・・・・・・・・・・・』
何、この人・・・・・?
何なの、この人・・・
話が通じないんだけどっ!?
助けて・・・・晃くんっ!
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