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大好きなので☆5

『・・・・・・・で?』 『・・・・・はい』 『わざわざ、こんな時間に ここに来る・・・ て事は、アイツとなんか あった?』 『・・・・・はい』 『ほー。で、そこに俺が絡んでる訳ね?』 『・・・・・・はい』 『ふーん。まぁ、大体の想像はつくけど』 頭をガシガシ掻きながら、天井を仰ぐ店長。 『で、俺に何が聞きたい?』 視線を戻せば 案外、真面目な顔で聞いてくる。 聞きたいこと・・・・か。 ここに来るまでは たくさんあった・・ でも・・・・・・ 『・・・ いえ、いいです』 『ん?』 『何か・・・・今、あなたと話してただけで、 何となく、分かりました』 『・・・ふーん』 『あの・・・・・! でも、いくら面白くても 晃くんに もう変な事しないで下さいね?』 一応、釘はさしておく。 『あー、あれなー。何かアイツが必死だったから見てたら面白くてな~。 からかってやろうって思ったら、つい。 やり過ぎた、悪かったな』 と、さして悪いとも思ってない顔で 言われた。 『・・・・・で?どうだった?』 『・・・・・・はい?』 『気持ちよかったろ、前立腺 ♪ 』 『─────っ !!////』 真っ赤になった僕を見て、わはははと豪快に笑いだす店長。 ものすごく、楽しそうだ。 ホントに悪いって少しも思ってないんだろうな・・・でも それが当たり前みたいに思えてしまう。変わった人・・・。 すっかり、この人のペースに巻き込まれちゃった・・・・・ わだかまりが解けた後は、うちとけて 色々な話をした。 晃くんが、バイト中に しでかした あんな事や、こんな事。 僕の、のろけ話してる事・・・とか //// 店長さんの歴代の彼女(彼氏)の話とか。 あんなに悩んだのがバカみたいに笑って。 『晃のヤツが、 「遊が」「遊は 」って 騒いでて、アホみたいに惚れてるなと 思ってたけど お前も大概、だな』 『・・・・惚れてるのは僕の方です』 『ふーん、言うね』 『・・・誰にも渡す気ないです』 『・・・・・・へぇ』 ふっと、真顔になって、身を乗り出して僕をじーっと見つめてくる。 僕も、目をそらさずに 見つめ返すと・・・ 『いい目してるな』 店長は、ふっと 口の端を上げて笑った。 『それは どうも』 僕も、そっと息を吐き出す。 『気に入った! 晃にゃ、勿体ないな』 『・・・・どうも』 『あ、そうだ。なあ、家での晃って どんなんだ?なんか面白い事あったら教えろよ。メールでいいから』 『はは・・・・はい』 『アイツ、俺のオモチャだから』 『え・・・・オモチャ?』 『あ、性的な意味は ないから安心しろ』 『はぁ・・・・・』 そうして また、わはははと豪快に笑い 肩をバシバシ叩かれる。 いや、あったら困るんだけど。 一頻り 笑い、治まったところで 『お前 メシ食ってないだろ』 と、言ってくれた店長さん。 普段は料理なんてしないらしいのに、 焼きそば なんか作ってくれて。 具はなくて、ちょっと焦げてたけど、お腹がすいてたのもあって、すごく美味しく感じた。 『お前・・・・帰ったら、寝ろよ?』 『え?』 『ひでー顔してる。 ま、晃も同じ顔してんだろうけど』 『あ・・・・・・・』 晃くん・・・・・どうしてるかな? 今日、僕がずっと避けてたから 気にしてるかな・・・ ちゃんと ご飯、食べたかな・・・・ 僕が、考え込んでいると、 店長が意外な提案をしてきた。 『よし。晃のヤツ、今日バイト休みにしてやるから、一緒に帰れ』 『え・・・・?でも・・・・・・』 『いーからいーから。アイツなんか、いてもいなくても大して変わらねーから大丈夫だ!』 え、えーと・・・・・ それは・・・どういう事でしょう・・・・ 店長さん、 罪滅ぼしのつもり・・なのかな?

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