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夏休み☆6

唖然と立ち尽くす俺と遊。 そんな事、気にもしてない店長は 優雅にコーヒーを飲み干すと 『さて、俺が寝る部屋はどこだ?』 と、のたまった。 『・・・・・どこだ?』 『『・・・・・・・・・・・・・』』 答えない俺たちに しびれを切らした店長。 勝手に歩いて出し、近くのドアを開ける。 そ、そこは俺の部屋・・・・っ! 『だーっ!ちょっと待っ・・・!』 『おー、ダブルベッド。生意気』 ・・・・・・・生意気っ !? 『・・・・あ!ちょ・・・・』 続いて 止める間もなく、遊の部屋の襖を開ける。 『和室か・・・・』 俺の顔を見て、何やら考えていたが ニヤッと笑うと、 『あっちの部屋にするわ』 と、言って俺の部屋に戻っていく。 『えっ !?』 はー? ない ない ない !! 『ダ、ダメですっ!』 『るせ。俺は狭いと寝れないんだよ』 『はあ !?』 そんなん 知るか! 『安心しろ。 お前らのジャマはしねーから』 『は?・・・いや、もう充分 ジャマです!』 『・・・・ほー』 思わず即答すると、 店長の背中から 真っ黒い どろどろのオーラが 揺らぎ始める。 『────っ!』 うっ! こ、怖い!!!! でも! 負けるもんか! ここで負けたら俺たちのラブラブ夏休みが !! 1日でも無駄にする訳にはいかないんだ! 『へぇ。そうか・・・・俺はジャマか・・・・』 ────と、なぜか突然 店長から オーラが消えていく。 あ、あれ? もしかして・・・・分かってくれた? 自分がジャマなコト! よ、よーし! 畳み掛けるなら・・・今だ! 『だからですね店長っ!いますぐ帰・・・・・』 『あのなぁ、晃。俺に遠慮しなくていいんだぞ?エッチも自由にしていいし イチャつくのも お前らの自由だ。マジでジャマなんかしねーから安心しろ。な?』 にこり、笑う店長。 黒いオーラはないけど笑顔が怖い。 すごく怖い。 ま、負けるな俺! 言うんだ 俺っ! 『・・・・イ、イヤですよ・・・っ! 大体、エ、エッチなんて・・・・! 絶対 覗くでしょーが!』 『覗く~?そんなこと しねーよ。 見るなら堂々とみるわ。』 『・・・・・・・っ・・』 『だから泊めろよ』 『・・・・・・っ・・・ !!』 だーかーらー! なんで そうなるんだよー! ガックリ 項垂れる俺。 店長は さっさとベッドに座り、布団をペロッと剥いで 「変なモン ついてねーよな?」とかチェックしている。 ついてないわっ!毎日 洗濯してるし! くそぉ・・・! まだ負けない! 俺は まだ戦える・・・・! 『と、とりあえず、今日はもう遅いから いいとして、明日から しばらく、ってのは絶っっっ対ダメですからね !!』 『おやすみ~♪』 『人の話を聞け――っ !!』 ひらひら手を振った店長は、ベッドに横になって 寝てしまった。 『ちょっとーっ!』 何なんだ、この傲慢男はっ!!! あれ? そういえば、遊は? 傍にいないちらりと遊を探すと、既に諦めてしまったのか、遊は しょんぼりと ソファに丸くなって座っていた。 ゆー! 諦めないでっ! 俺たちはまだ戦える・・ハズ! きっと・・・・・・!!! ・・・・・・・多分 、 きっと。

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