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夏休み☆9

『帰れないって・・・・・』 やっぱり何か深刻な事情が? 『じゃあ、俺はもう 一寝入りするから』 『え?』 早っ! 食べるの早っ! 深刻に悩んでるヤツの食べっプリじゃない! 『ちょっと、店長 !?』 『おやすみ~』 『・・・・・・あっ!』 行っちゃった・・・・ どうする? どうすんの? ここはもう1度 問いただして・・・・ 『晃くん・・・・・食べよ?』 『え?』 相変わらず、しょんぼり垂れ耳ウサギの遊が 力なく言う。 ああ! 諦めちゃダメだって~ とは言え、自分のせいだと思い込んでる遊には何も言えなくて。 気を取り直して 箸を取った。 朝ごはんを済ませ、布団を干して、洗濯して、簡単に掃除をしたら することが無くなった。 いつも休みの日って2人で何してたっけ? 店長がいるから イチャイチャも出来ないし、どこにも行けない・・ 『テ、テレビでも観る・・・?』 『んーん・・いい・・・・・』 『そ、そっか・・・』 『うん・・・・・』 シーン いつもと違う妙な緊張感に包まれた部屋。 2人並んでソファに座り、ただ ひたすら時が過ぎるのを待った・・・・。 バンッ! ドアが開く大きな音で目が覚めた。 どうやら、ウトウトしていたようだ。 隣を見れば、遊もふわふわ欠伸しながら目を擦っている。 『出てくる。昼飯いらないから』 店長は、それだけ言うと、さっさと出て行ってしまった。 『・・・・・・・・・・』 嵐のように店長が出て行って、しばらく動けない俺たち・・・・・ もしかしたら戻ってくるかも? とか考えたら妙な緊張感が抜けない。 それでも、昼ごはんを食べ終わった頃から、ようやく 緊張感は薄まって、リラックスし始めた今、2人で洗濯物をたたむ。 『晃くん、今日 バイトだっけ?』 『あ、ううん。休み』 『わぁ、じゃあ後で買い出し 行こ?』 『うん!』 うははー、これこれ! こういう何気ない日常的な事が、 もう すっごく楽しいんだよね! 遊と2人なら。 ・・・・店長さえいなければ。

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