57 / 761
夏休み☆19
――次の日。
目を覚ますと・・・・今日は、遊が俺の腕の中で
まだ寝ていた。
今俺の方を向いてるから、つい寝顔を見つめ ニヤニヤしてしまう。
昨日(あ、今日もか。)の遊も
かわいかったな~。
あー、そういや店長・・・生きてるかな・・?
とか、思っていたら
ダイニングの方から人の気配が・・・・
あ、生きてた。
名残惜しいけど、そっとベッドから降りて部屋を出る。
ダイニングを覗くと・・・・
冷蔵庫の前でミネラルウォーターを飲む店長の姿があった。
俺に気づくと、
『よぉ・・・・・』
『おはようございます・・・』
『・・・あー、頭いてぇ・・・・・
酔ってて なんも覚えてないんだけど、起きたら、和室で寝てて ビックリしたわー』
『あ、ああ・・・!てんちょー、かなり酔ってましたからね!あははは!』
『・・・・・・・・・・?そうか・・・・・
タクシーに乗ったとこまでは覚えてるんだけどな・・・まあ、いいや。ちゃんとカバンは持って来れたし。』
『カバン・・・・・・・・って!そうだ!
あのキャリーバッグ!何なんですか!何泊する気なんですかっ!?』
『ん?・・・だから、しばらく。』
『俺らだって予定とかあるんですけど。』
『はぁ?お前ら大抵 家にいるじゃねーか』
『へ?何でそれ、知って・・・・』
『ふっふっふ。俺は何でも知っている・・・』
・・・この人が言うと、ホントになんでも知られてる気がする・・・・怖い・・
『しばらく 我慢しろよな。』
たから、何で上から言うんだよ。
『・・・じゃあ、理由を教えてください!』
『あ?こだわるね、お前。』
『当たり前でしょ!』
『ん?お前・・・・何か怒ってんの?』
怒ってるよ!
『夜!店長が遊に抱きついたからですよ!』
『・・・・俺が?』
『そう!しかも布団の上で!』
『ほほー』
『ちょっと!ふざけないで下さいっ!』
『んな事 言われてもなぁ・・・
知らねーよ、覚えてないんだから。』
・・・・・・・・!
ああぁ、もー!
『つーか、何か体 痛いんだよな・・・・
頭にコブ できてるし、足には青アザ出来てるし・・・最悪だなー。お前、知ってる?』
『へ?・・・・さ、さあ?よ、よ、酔ってぶつけたんじゃ・・・ないですかねー?』
『・・・・・・あ?お前・・・・・・・』
ギクッ!
ヤバい・・・・
この人にウソや誤魔化しは通用しない・・・・?
どうしよう・・・これ以上 ツッこまれたら・・・
誤魔化す自信がないぞ・・・??
『ま、いいや。
あー、クソ、頭 痛ぇ・・・・・寝る。』
『え・・・・・・・・』
二日酔いのせいか、コブのせいか、
店長は さっさと和室に行ってしまった。
うーわー!
もっと何か言われるかと思った!
店長にしては やけに あっさり・・・
・・・・・あ!
ウチに泊まる理由を聞いてたんだっっ!
ちくしょー!
もしかして、うまく逃げられた・・・ ??
だったら・・・・だったら・・・・
悔しいっ!
くそぉーっ!!
ともだちにシェアしよう!