63 / 761

夏休み☆25

『あんたねーっ!』 怒ってる俺に、ゲラゲラ笑い転げる店長。 『やっぱり!思ってたとおり!くっだらない理由でっ!何なんですか、もうっ!言えばいいでしょ!!言えば!』 店長は未だ 笑ってて答えない。 『ちょっと!!』 お腹を押さえて、体を震わせ 笑いが おさまらない店長。 話にならーん! そこに、ひょっこり村田さんが顔を出した。 『あ!志田くん、ここにいたんすか。 あれ?なんか楽しそうっすねー。』 ・・・・・・どこが? 『俺のウチにいるんです・・・・』 『はい?』 『だからぁ!店長はウチにいるんです!』 『えぇ!そうなんすか?いいなぁ!』 は・・・・・なにが? 『全っっ然、よくないっ!!!』 『えー、志田くんち、面白いんすよね?』 違うだろ・・・ そんな訳だろ! 『いいなぁ・・・俺も行きたいっす!』 来るなっ! つーか、 目をキラキラさせるんじゃない! 話にならーん! 『あー、面白れぇ・・・・』 店長、復活。 まだ、笑ってるけど。 『あー、腹痛い。やっぱり面白いわ お前。』 『あ、面白いのは志田くんなんすか?』 村田さん・・・・・空気読め。 『そうそう。こいつ、俺のおもちゃだから』 『えぇ!そうなんっすか!』 村田・・・・空気を読め! つーか、少しは疑えっ! 『村田。ハウス。』 『はーい!仕事に戻りますっす!』 村田・・・・・犬っ !?犬なの? なんなんだよ・・・ もう・・・・疲れた・・・・・ がっくり肩を落とした俺を見て、店長は 『はは。悪りぃ悪りぃ。 すぐに言うつもりだったんだけどな? お前が変に勘ぐって聞いてくるし、遊も後つけようとか、予想外の行動するし エアコンが 壊れた、なんて普通の理由じゃ面白くないだろ?』 俺もどうしようか悩んでたんだよ、とか 言いながら また店長は 笑い出す。 悪いって思ってないよ、この人。 『まぁ、お前らが悩んだり、しょんぼりしてたの見られて楽しかったわー。いや、お前んちにして正解だった』 『・・・・・・・・・・っ!』 悪いって思ってないじゃん! 『遊のメシも食えたしな ♪ 』 『・・・・・・・・・・・っ!あ!』 そうだ! 『厨房、人手不足って・・・ウソなんですよね?』 『あー?ないない。現状でバッチリ』 『・・・・・・・・・・・・・』 やっぱり・・・・ 『色々、考えただろ?お前、単純だから ♪ 』 『考えたよっ!遊の可能性とか言うから !!』 『遊に聞いたか?』 『聞きましたっ!ここでバイトする気は ないそうです!』 『お、聞いたんだ。成長したなー。』 『は?』 『ちょっと前のお前だったら1人でウダウダ考えて落ち込んでただろー。』 『・・・・・・・は?』 『・・・・・だろ?』 『・・・・・・・・・・・・・・・・・』 まぁ・・・・ そう言われると・・・・・そうかな? 『よかったな?』 肩をやさしく ポンポンと たたく店長。 そして、さりげなく休憩室を出ようとする。 『・・・ちょっと待てぃ!勝手に 無理矢理いい話に すり替えようとするなーっっ!』 『ちっ、バレたか。』 『とにかく!3日とか言ってないで、 すぐ出てって下さいっ!』 『・・・・お前?・・俺を殺す気か・・・・ !?』 真顔で聞いてくる店長。 あんたが それを言うか! 話にならーんっ!!

ともだちにシェアしよう!