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夏休み☆27
そして、────夜9時
お仕事、終っわりました~♪
『さあ!さあさあ!店長!帰りますよ!』
『はぁ?俺はまだ、終わってねーよ。
バイトと一緒にすんな、アホが。』
今日の店長は、平日でバイトが少ないから接客もレジも している。
こう見えて、仕事は きちんとする人なのだ。
・・・・・実は。
『今日くらい いいじゃないですか!』
『アホ言うな、アホ』
うー、アホって言った・・・(2回も!)
でも・・・そっか・・・・
ここで店長までいなくなると大変か。
早く荷物 持って 出てって欲しいけど
この店が終わるのが・・・0時。
客が完全にいなくなって、売上 計算して、
お店を閉めるのは・・1時くらい?
前に1回だけ 土曜日に 閉店までいた時は
そんな感じだった。
でも、今日は平日だから その時よりは
早めに終わるハズ・・・だよなぁ・・・。
モヤモヤしながら考えていると、
そこへ、救世主 登場!
『今日はもう そんなにお客さん来ないでしょーし、最後は俺が やっておきますから いいっすよー?』
『む、村田さん・・・・・っ!』
『村田』
『とゆーかっすよ?志田くんちに荷物 取りに行って、また ここに戻ってくるって テもあるっすよ?』
あ、なるほどー。
そのテもあるっすよねー。
『お前んち、反対方向じゃねーか。
めんどくせーよ。』
むむむ。
店長、手強い・・・!
やっぱダメか・・・・?
『あ。じゃあ、ここには帰らずに、俺んち行っといて下さいっす。』
はい、俺んちの鍵っすー、とか言って、ポケットから鍵を取り出し、店長に渡す。
おお、用意周到。
頭の回転 早いし、気が利くし、
ホントに、至れり尽くせり・・・。
『ちっ、わーったよ。行くぞ、晃』
『はーい!村田さん、お疲れ様です。
さようなら!』
『お疲れ様っす!さよならっすー。』
ありがとうっすー。
村田さんに感謝しながら、店長と一緒に
家路へと急いだ。
遊!
待っててね~!
*****
『たっだいま~♪』
『晃くん!お帰りなさ・・・・』
『おう、遊。ただいまー。』
店長が 俺を押し退け、先に家の中に入ってしまう。
『・・・・・・・・薫さん・・・!』
『ちょっと、店長!』
もう!他人の家に 遠慮なく・・・!
『俺に「おかえりなさい!」は?遊くん?』
店長が 遊の口調を真似て(るつもりらしい)
遊に笑いかけるが・・・・
『・・・・・・・・・・(怒)』
おぉ!
遊の背中から ブリザード発生!!
怒ってる!怒ってるよ~( 汗 )!
どうすんだ?店長!
すると、店長は遊の肩を抱き、まぁまぁ・・・とか言いながら部屋の奥へ。
『・・・・・・・・・・?』
続いて、俺も部屋に入ると・・・・
何故か、遊が顔を赤くして コクコク頷いている。
『・・・・・・・・・・?』
何・・・・・?
何してんだろ?
聞く前に、
『じゃ、そういう事で。世話になったな!』
あっさり そう言い放つと、キャリーバックをガラガラ引きながら、店長は出て行ってしまった。
んー?
遊を見ると、顔は赤いまま・・・・口元が綻んでて
何故か胸に両手を当てている。
何?
何したんだろ・・・・・店長。
『・・・・・・遊?』
『え?あ、あは!あの・・・薫さんてば
急に帰っちゃったね!』
『へ?あ、あぁ・・・・うん。』
『よ、よかったね!』
んー?
何か・・・・変。
『どうしたの?店長に何かされた?』
『えっ?いや、何も・・・・・・////』
ますます、顔が赤くなっていく。
なんだか・・・・嬉しそう。
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