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夏休み:初めての旅行☆27
なんで・・・・・
なんで
嫌な予感って、当たるんだろうか・・・
リビングに集まった家族。
いわゆる、一家団欒、てヤツですが・・・
3人掛けのソファーに遊を挟んで座る父と母。楽しそうに談笑していて、俺の入る隙間は まったくない。
向かい側にある2人掛けのソファーには、俺と湊。湊は、さっきから ずっと本を読んでいて たまに話しかけるけど 無視されている。
うぅ・・・自分の家なのに めっちゃ疎外感・・・
湊・・・かわいくない・・・(泣)
それにしても・・・・、
難しそうな本 読んでんな・・・
俺も本を読むのは好きだけど、
あんな分厚い本は読まない・・・しかも
チラッと覗いたら英語だった・・・!
湊は、実はものすごーく頭がいい。
俺が大学に進んだこの4月から、湊は高校生になり、有名な進学校に入学した。
俺の名誉のために言うと、俺も勉強の方の頭は悪くはない。大学もそこそこ いいトコ行ってるしね。
――へへん。
性格も全然 違って、
俺は思いつきで行動するようなタイプだけど
湊は、常に沈着冷静。
我が弟ながら、実に出来た人間なのだ。
自慢の弟ってヤツ。
『兄ちゃん、キモい』
は?
『ニヤニヤしながら俺をみないでくれる?』
え?
見てたの バレてた・・・?
いや・・・っていうか、
お前は本から目を離さずに、
どうやって俺の顔を見たんだ。
エスパーか!
『エスパーじゃないよ』
え?ええ?また??
何で分かるんだ・・・・ !?
弟の知らなかった能力に固まっていると
読んでいた本をパタンと 閉じて 俺を見る。
『あのね、兄ちゃんはね?声に出てんの。
・・・・・昔っから』
『え・・・・・?声に?』
『そう。心の声 ダダ漏れなの』
『え・・・・・・・・』
えぇ?
マジで!?
『マジで。じゃあ俺、勉強するから』
と、ひと言。
立ち上がって 部屋を出て行った。
な、なるほどー。
はぁ。
俺も(暇だし)部屋に行ってようかな~。
ちらっと前の3人を見ると、
こっちを見ていたらしい 遊と目があった。
『あの・・・俺、部屋に行ってるね』
と、言うと、
『あ、ぼ、僕も行く!』
どうやら、両親の好き好き攻撃に さすがにちょっと困っていたらしい。
ひき止める父と母から、遊を強引に奪って、
手を引いて2階に連れていく。
部屋に入るなり 遊は、力なく
ペタンと座り込んだ。
『えーと・・ 相変わらず・・・元気な・・・・
いい・・ご両親だね』
ありゃりゃ・・
気ぃ使ってるなぁ・・・・・
そんな疲れきった表情で言われても・・・
ねぇ。
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