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夏休み:初めての旅行☆28

疲れたので、ベッドに座って 壁にもたれて ひと休み。 『あの・・晃くん・・・』 『ん?』 『あの・・・連れてきてくれて、ありがとう。 来る前に嫌な態度とって、ごめんね?』 『ああ・・・、いや。気にしてないよ? 俺こそ言うの忘れてて、ごめん・・!』 『え・・・ううん!久しぶりだから緊張してたけど・・・来てよかった。 晃くんの家は いつも明るくてあたたかくて・・・ホッとするんだ・・・』 『そう?なら よかった・・』 『うん・・・全然ちがう・・・僕の家と・・・・』 『え・・・・・・・?』 ―――沈黙 遊を見れば、頭を壁につけて、上を向いて目をつぶっている。 遊が・・・家族とうまくいってないのは、なんとなく気づいては いた、けど・・・。 あれほど実家に帰るのを嫌がるなんて・・・ 余程の理由があるんだろうな・・・ 聞きたいけど・・・ こういうのって無理やり聞き出すモンでもないか・・・ 遊が話してくれるのを待とう。 そう思った時、遊が パチっと目を開けた。 『晃くん・・・』 俺を見つめる その まなざしは・・・真剣で、強い想いを感じて 思わず ゴクリと唾を飲んだ。 『晃・・くん』 『な、なに・・・?』 『僕の・・・話、・・・・聞いてくれる?』 『・・・・・・うん・・、もちろん』 『きっと長くなる・・・し、重いかもしれない・・・・けど、・・・・いい?』 『うん。聞く』 『・・・・・ありがとう』 遊は、目を閉じて 深呼吸をしてから ゆっくり 話し始めた。

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