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遊の告白★3

もう、なにもかもが どうでもよくなった。 お金を返したところで この人には何も響かない。 逆に、僕がいなくなるためになら いくらでも出してくれるだろう。 やっぱり僕は・・・家族にはなれなかった。 僕は いらない人間だった。 早く家から出たいって望んでたのに 少し・・・ほんの少しだけ、胸がチクチク痛くなった。 けれど・・・ただ、黙って それを受け入れた。 そんな時、晃くんに告白された。 もう1人でいい、 1人で生きていくんだ、 って、思っていた。 でも、惜しみなく好きって想いを ぶつけてくれる 与えてくれる そんな人に・・出会えた。 愛される事を知らなかった僕は、 晃くんを好きなんだって自覚してから、 のめり込むように すがりつくように・・・ 依存していくのが分かった。 自分でも、 どんどん想いが膨れ上がって 堕ちていくのが怖かった。 こんな重過ぎる想い・・・ 晃くんに知られてしまったら きっと嫌われてしまう。 分かっているのに、 初めての気持ちを止められなかった。 だから、必死に隠した。 想いは止められない。 だけど 悟られてはいけない。 あの家で暮らす事より つらい、と思った。

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