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遊の告白★4
そんな心の中を 表に出さないように、
必死に隠して
晃くんの隣で笑った。
実際、晃くんと一緒にいると
今まで感じた事のないくらい幸せだった。
大学も、
特になんの目標もなくて
なりたいものもなくて
夢もない
出来るだけ遠くへ
出来るだけ家から離れたところへ
晃くんが選んだ大学は
偶然にも僕の望む条件に合っていた。
だから迷いなく、同じ大学、
そして 同じ学部を
受験することにした。
晃くんは、すごく喜んで
「嬉しい!」と、
何度も言って
ぎゅーっと抱きしめてくれた。
一緒に住もう、と言ってくれた。
ずっと、側にいるよ
大好きだよ
まるで、
僕の心の中を 知っているかのように
何度も、何度も・・・言ってくれた。
何度も何度も
優しく抱きしめてくれた。
欲しかった言葉
欲しかった温もり
確かな想い。
足りなかったモノが
満たされていく。
大丈夫。
僕は、大丈夫だ。
ずっと背負ってきた 暗い重い大きな黒い塊が
散り散りになって 消えていくのを感じた。
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