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遊の告白★7
『これが・・・僕の・・・家族・・・・、ううん・・
僕と・・・家族になれなかった人たちの・・・話』
遊は、長い時間をかけて、ゆっくりと話してくれた。疲れたのか、少し顔色が悪い。
『・・・だから、僕には帰る家が ないんだ』
息を吐いて、俺の肩に頭を乗せる。
『帰る気もない・・けど』
『・・・・遊・・・』
えぇと・・・
こんな時・・・・何を言えば・・・
なんて言えば・・・遊を慰められるだろう
せっかく話してくれたのに・・・・
何も・・・・言えないなんて
自分の不甲斐なさが情けなくて・・・
唇を噛み締める。
すると遊の方が震える声で・・・切り出した。
『・・・晃くん・・』
『な、何?』
『あの・・・僕のこと・・・』
『・・・ん?』
『・・・・・重くない?嫌いに・・・ならない?』
『・・・・・っ?!』
思いもよらない言葉に驚いて思わず、遊から離れて 顔を見た。
遊も、じっ・・・と俺を見返す。
何かを覚悟したような・・・真剣な顔で。
まるで・・・別れを宣告されても仕方ないって顔で。
なんで・・・そんな顔すんの
俺が・・・遊を嫌いになる訳 ないのに
だって俺は・・・・
俺は、遊を・・・・
『愛してる』
俺の口から出た言葉は、言った俺自身が
びっくりする言葉で。
なんの意図もなく、遊を見ていたら自然と
出てしまった。
でも、それは間違いなく ずっと俺の中にあった気持ちで。
こんな事 言ったら、遊には重いんじゃないかって・・・言えなかった言葉。
予想外の言葉だったのだろう、遊の目が、真ん丸になった。
『あ、晃くん・・・・』
『・・・俺が側にいる。死ぬまで一緒にいる。』
そう、目をそらさずに言うと・・・みるみる遊の目に涙が溜まっていき溢れだした。
『幸せにする』
『・・・・・・』
『一緒に幸せになろ?』
『・・・っ・・・・う・・ん・・・』
遊の涙を、親指で拭う。
おでこにキスを落とすと、遊は
泣きそうな、幸せそうな顔で笑ってくれた。
『ゆ・・・』
唇にもキスをしようと、顔を近づけた時・・
『よく言った───っ!』
バァ────ン !
と、すごい音をたててドアが開いた。
父と母が ぐずぐず泣き、拍手をしながら部屋に入ってくる。
『・・・・・・・は?』
何?
何、コイツら。
え?
まさか・・・・
聞いてた?
聞いてたの?
えぇええ!?
何、考えてんの─────?!
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