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遊の告白★8
突然の事に、驚きすぎて声も出ない。
いつから 居たんだ??
いつから聞いてたんだ??
固まる俺を無視して、父と母が遊の側に
行き、代わる代わる抱きしめる。
遊も、突然の俺の親の乱入に ビックリして、されるがまま、石のように固まって ピクリとも動かない。
あぁ・・・
固まってる遊も かわいいなぁ・・・・
はっ!
じゃなくてっ!
『な、何やってんだよ!』
慌てて 2人から遊を引き剥がす。
『・・・・・何がぁ?』
しれーっとした顔で2人して とぼける。
『何が?じゃないっ!
何、盗み聞きなんかしてるんだよ!』
すると、母は、
『違うわよ~。
ご飯よ、って呼びに来ただけよ~。』
と、さらに とぼける。
いや、それなら2人で来る必要ないだろ!
絶対 覗きに来たな、コイツら・・・・!
『どこから聞いてた?』
『・・・・えっと・・・僕 重くない?なに言ってんだ、愛してるよ・・・くらいかしら』
ん?
微妙に違うけど・・・
ほとんど聞いてないって事??
・・・・なんだ、よかった・・・!
ホッと息を吐いたら 今度は父が
肩を震わせ おいおいと泣き出した。
『晃がここまで遊くんを好いているとは・・・
お父さんは感激したよ。お前は立派な男だ!』
『はぁ・・・・?』
感動・・・
それで、こんなに泣く・・・?
年のせい?
年のせいなのか?
年のせいで
涙もろくなってんのか?
遊のために泣いてくれるのは嬉しいけど・・・
そもそも盗み聞きは アウトだろ!!
『もう、いい。分かったから出てって!
遊も ビックリしてるだろー!?』
ずっと固まったまま 動かない遊を見る。
───と、
遊は、真っ青な顔をして、
声も出さずに・・・
泣いていた。
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