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遊の告白★9

『え・・・・・・・』 静かに 静かに 涙を流す 遊。 嬉し涙?・・・かなと思ったけど・・・ 泣いている姿は 見ているこっちまで 悲しくなるほど 痛々しい。 『ゆ、遊・・・・・どうしたの・・?』 肩に手を置いて 呼びかけると ビクッと体を強ばらせ、 『ごめんなさい・・・』 ――と、 俺ではなく、父と母の方へ向けて呟いた。 『え・・・・?ど、どうしたの?』 さすがの父と母も焦っている。 『ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・・』 謝り続ける遊。 『遊?どうして謝るの?』 そっと 背中を擦り、答えを促す。 『僕・・・・僕が・・・・晃くんを好きなんです。 ごめんなさい。晃くんは悪くない・・・です』 『え?』 『え?』 『え?』 『男なのに・・・・晃くんを好きになってしまって・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・!』 ・・・・・・・・っ! 遊の言葉で、やっと俺はすべてを理解した。 俺の・・・・バカ !! 遊は、優しい。 自分の母親に理不尽に冷たくされても 恨み言ひとつ言わず、 人一倍 頑張って 耐えて・・・耐えて・・・ 1人で悲しみを背負ってきた・・・ そんな優しい遊が、 俺との関係を よりにもよって俺の親に知られた・・・ きっと、 自分が悪いって 俺を守るために 両親を傷つけないために 自分を責めるんだ。 ・・・・話せばよかった もう俺たちの事、俺の家族は 知ってるって・・・ 話せばよかった・・・ いつも、俺は・・・ 大事なことほど 遊のために、 遊のためにって 遊を思ってしたことが 空回りする。 後悔してばかりだ。 震える遊の体を抱きしめようとしたけど 遊は、それを全身で拒否する。 『や・・・っ!いやだ!ごめんなさい・・・ ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・っ・・!』 何度も、何度も 謝り続ける。 見ていられない。 もう両親が知っている事を遊に告げようと 口を開こうとした時、 先に動いたのは、母だった。

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