120 / 761
ある男の告白☆10
そして迎えた 月曜日。
午前中は、篠宮は姿を現さなかった。
やれやれ。
これで平和な日常が戻ってくる。
――と、思っていたのに。
やはり、ヤツは しつこかった。
お昼に食堂に行くと・・・・
中野と篠宮が、俺たちを待っていたのだ。
腕を組んで立つ篠宮。
その一歩後ろで、中野が両手を合わせて、
「ごめん!」のポーズをしている。
一体、なんに対する謝罪なんだか・・・・。
『・・・・まだ何か用?』
遊が、俺の前に出る。
守る、って言ったのに・・遊・・・
すると、篠宮はいきなり両手を上に上げた。
思わず身構える遊。
篠宮を前にして、自然に空手の形のような構えになっている。
“ 忘れた”って言ってたけど、
体は覚えているもんなんだなぁ・・・
カッコいい・・・
なんて、思わず遊に見惚れていると
そのまま篠宮は、
勢いよく両手を地面につけて・・・
深々と・・・土下座をした。
『っ、・・・・え?』
『な・・、何?』
突然の行動に、俺たちだけではなく、
周りにいた人たちも驚いて、辺りがざわつき始める。
『ちょ、ちょっと・・・?!』
篠宮は、顔を床に擦りつけたまま
大声で叫んだ。
『し、篠宮 遊くん・・・っ!
俺と、お友だちになって下さいっっ!』
『・・・・・・え?』
『・・・・・・はい?』
な、なんだって!?
今度は何を言い出したんだ、
コイツ・・・・ !!
ともだちにシェアしよう!