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ある男の告白☆13
*** 晃・side ***
俺と中野は、
「お友だち」交渉決裂、
からの~、
まさかの「お知り合い」攻撃に
唖然と立ち尽くしていた。
しぶとい・・・
どんだけメンタル強いんだかコイツは。
ある意味、すげーよな
遊も、ビックリしてフリーズしてるし。
篠宮は 遊の返事も待たずに、
『ムリ?
じゃあ、今までの事は、全部 忘れてっ!
今日・・・いや、今 初めて出会った事にして
知り合いの前から始めよう!』
と、捲し立てる。
ポ、ポジティブ・・・
敵(?)ながら、あっぱれ。
すると、周りで見ていた野次馬たちも、
「おぉ」と感心したように頷いたりしている。何人かは拍手までしてるヤツもいて
意味 分かってんのか?みんな。
周りを味方につけて、気が大きくなったのか
篠宮がもう一度、頭を下げて
『お願いしまぁす!』
と、右手を差し出す。
遊は、しばらく考えていたけど…
『はぁ・・もう・・・!分かった、いいよ』
と、言って、篠宮の右手に ちょん、と
人差し指を乗せた。
え?
ゆ、遊・・・?
いいの?
その時、「わあぁぁぁぁ!」と
大きな歓声があがった。
野次馬たちからの盛大な拍手。
篠宮は、「やったー!」とガッツポーズをして飛び回りながら、野次馬に向かってお辞儀をしている。
遊が、疲れた顔で こちらに戻ってきた。
『遊・・・いいの?』
『うん・・・・
何を言っても 堂々巡りな気がして・・・・
恥ずかしいし、面倒くさいし。
もう、どうでもいい・・・・・・』
『な、なるほど・・・・・・』
『あー、もう・・・っ・・何でこんな事に・・・・』
と、遊は ちらりと後ろを振り返る。
まだ、喜びの真っ只中、「うおぉぉぉ!」と叫んだり、ガッツポーズして踊っている篠宮を置いて、食堂を後にした。
執念の勝利・・・・・
恐るべし
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