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ある男の告白☆17

ニヤニヤ笑いながら、やって来たのは 『中野・・・・』 『コクられてるし~♪ 』 『いや、からかわれたんだって・・』 『いやいや、あれはマジだって~♪』 『そうか?すげー あっさりしてたぞ?』 と、話しながら歩いていると、 門に近い大きな木の側で、「お願いします!」と、頭を下げ手を差し出している男がいた。 された女の子は、 「よろしくお願いします」と、男の手を取る。 周りを歩いていた人たちが拍手をして祝福して、本人たちはキャーキャー喜んでいる。 『なんだ?あれ・・・・・』 俺も、さっき アレされたけど・・・ 『はは。流行ってんだよ』 『・・・・流行ってる?』 『そう。好きな人に告白~♪』 『・・・告白?』 『好きなんだけど~、 勇気がなくて出来なかったヤツが~、 頑張って告白してみる~、みたいな? 「お友だちから お願いします!」つって』 『え?・・・・それって・・・』 『そう!ダブル篠宮の告白効果~♪』 『ダブル・・篠宮って・・・・』 『最初は面白がってやってたヤツが多かったみたいだけどな。意外と成功率が高いって評判になってさ~。そっからは、すごい勢いで流行りだしたみたいだぞ~』 『へ・・・へー・・・』 いつの間に そんなことに? 噂は下火になってた、って思ってたのに。 『心配しなくても、今はダブル篠宮の事より 告白のほうがイベント化してるから、大丈夫だよ』 『そっかな・・・?』 『そうそう♪』 なら いいけど。 何か変な方向へ いっちゃったもんだな~。 あ、そうだ。 女の子に・・・告白された事 遊に言ったほうがいいかな・・・・? 嫌な気持ちになるから 言わないほうがいいかな・・・ うーん・・・・ いや、 今まで遊のために、って やった事が ことごとく裏目に出て 遊を泣かせたりしたもんな・・・ ちゃんと話そう。 それにしても・・・・ 妙なもんを流行らせやがって 篠宮め・・・!

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