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おまけ☆1
ある日の昼休み。
食堂に入ると、いつものごとく篠宮が席を取って待っていた。
『こっちこっち♪』
尻尾を振る大型犬だ・・・
あ、犬の方が 断然、かわいいけど。
『ありがと・・・』
とりあえず、荷物を置くと、
『A定食?B定食?あ、カレーかな?
それとも、うどん?ラーメン?』
と、これも いつものごとく聞いてくる。
『・・・自分で買ってくるからいい』
と、遊も いつものように、おばちゃんの待つカウンターの方へ歩いていく。
篠宮は、しゅん・・・と、おとなしく座って、
時々 遊の方を見ながら 待っている。
ぷぷっ・・・やっぱ、犬みたい。
ご主人様が、一番です!って感じな。
俺といる時の遊は、かわいくて甘えんぼだけど、篠宮といる時は、クールで大人びた感じになる。
どっちの遊も 好き・・・だけど~
そこへ、中野が やって来た。
最近はこの4人で昼食をとることが多くなってこういうのも いいもんだな~、って思う。
『志田は・・・・パン?』
『うん。購買で買ってきた』
『うわ、いいな~。もう売り切れたかな?』
『焼きそばパンは俺で最後』
『だよな・・・・。じゃ、カレーにしよ』
と、中野と入れ違いで遊が戻ってきた。
『あ、アジフライ。うまそー♪』
『B定食だよー』
中野も すぐに戻ってきたので、一緒に
「いただきます」をして、食べ始めた。
『あ、アジフライ、美味しい!』
『えー、いいな~』
『1つ あげる~♪』
『お、サンキュー。じゃ、焼きそばパン
半分あげる♪』
『わぁ♪ ありがとー』
『どういたしまして~♪』
なんて やり取りを
じ―――っと、見ている篠宮。
『なに?』
遊が、不機嫌そうに聞くと、
『2人はいつも そんな感じだけど・・・・
友だち なのか?』
『え?』
『は?』
突拍子もないことを聞いてくる篠宮。
『友だち以上なのか?』
『えぇ・・・・?』
『・・・・・はぁ?』
何が聞きたいんだ、コイツは。
何か感づいたのか、コイツは。
そこへ、中野が口を挟む。
『やってる事は彼氏彼女だよなぁ』
『・・かれし・・・かのじょ・・・・』
中野・・・!
余計な事を言うな・・・!
すると、篠宮はガンっと机を叩いて
『俺はいつになったら、そんな風になれるんだ?』
と、いきなり叫んだ。
『・・・・・は?』
『・・・はい?』
なに?
どういう事?
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