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合コンと告白の行方★3
真美、と名乗ったその子は、勝手に俺の横に座り、色々 話しかけてくる。
必要以上に、くっつこうとするし、ボディータッチも半端なく多いし・・・・
なんだろ・・・?
自惚れてしまうと、この子は 俺、狙いなんだろうか・・・って、
いやいやいや!
そんなの いらないし!困る!
どうしたもんか・・・
ちらっと遊を見れば、さすがに「やめて」とも言えず、不機嫌な顔を 見せないように 肘をついて そっぽ向いている。
うーん・・・
もう、帰ってもいいかなぁ・・・
お腹もいっぱいになったし
遊も全然 楽しくないだろうし。
それに この子ともあまり関わりたくないし。
「好きだ」って言ってもらえて嬉しくない訳じゃないけど、気持ちには応えられないんだから、仲良くなる必要なんてないもんな。
『あの、俺ら そろそろ帰るんで』
『えー?始まったばっかりですよ?』
『はぁ・・・でも俺ら、
人数合わせで来てるだけだから』
『・・・・・・・・・・・・・・』
あれ?
こっちも不機嫌・・・
ま、こっちはどうでもいいけど。
合コン 始まってから、1時間半は経ってるから、もう十分お役目は果たしただろう。
『じゃ・・・、帰ります。遊、帰ろ?』
『あ・・・・う、うん!』
遊を促して、立ち上がろうとしたら、
「やだぁ、待ってぇ~」と、甘ったるい声で、
腕を掴まれた。
『うわ・・・っ!』
不意打ちで引っ張られた俺は、よろけて また座ってしまう。
『もうちょっといいじゃないですかぁ』
掴んだ腕を抱きしめる女の子。
く・・・・・っ!
む、胸を押しつけるな・・・!
『あ、もう一杯、何か飲みません?』
『い、いや!もう、もういいです・・・!』
『あと一杯だけ!ね?つきあってぇ?』
ちっ!
面倒くさいなー。
帰る気満々だった遊はというと、
もう・・・不機嫌さを隠せないみたいで
悪意たっぷりに女の子を ギロッと睨みつけている。
漂う冷気が半端ない。
お、怒ってる・・・!
帰りたい・・・・!
『ね?一杯だけぇ。
一杯 飲んだら帰ってもいいから~。
ね?いいでしょぉ?』
一杯、一杯って・・・っ!
しつこい・・・!
もう こうなったら・・・飲んじゃう?
一杯つきあって、それで帰れるんなら
飲むしかない・・・か。
『篠宮くんも、ね?』
俺たちの返事は聞かずに 一方的にそう言うと、「注文してきまぁ~す♪」と、部屋を出ていってしまった。
今 思えば、この時、真美とかいう女なんかほったらかして、帰ってしまえば よかったんだ・・・・。
俺は、最悪のミスをおかしてしまう。
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