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合コンと告白の行方★10
*** 晃・side ***
はっ・・と、慌てて 手を離す。
あぶな・・・!
そうだった!
ここ、まだ店の中だった・・・っ!
『お前・・・・・大丈夫か?』
と、声をかけられ、熱を吐き出すように・・・
気持ちを落ち着けるように何度も深呼吸を繰り返す。
うぅ・・、苦しい・・・けど
もうちょっと我慢・・しなくちゃ・・・
『・・・だ、大丈夫』
『1人で歩けるか?』
『・・・うん』
『篠宮は俺が運ぶから・・荷物 持って』
『うん。・・・ありがと・・』
コイツ・・・
えーと・・・
名前、なんだっけ?
『お前なぁ!沼田だよっ!失礼なヤツだな』
あれ・・?声に出てた?
そうか・・・そうだ・・沼田だった
『あ~あ、助けるんじゃなかったな・・・』
『・・・・・助ける?』
沼田は遊を背中におぶって、歩き出す。
すごく嫌だけど非常事態だから仕方ない。
それに着いて行きながら、高橋真美の驚くべき話を聞いた。
彼女は、いわゆる男好きで、
「いいな」と思った男に片っ端から声をかけ、
あらゆる手段を使って手にいれようとする肉食系女子。
今回の合コンも、「俺を呼べ」 と言い出したのは彼女だったらしい。
沼田は、俺も男だし2人が合意の上で、関係を持つのはアリかな?とか思ってたみたいで、誘ったんだそう。
でも、俺の様子が急におかしくなったのと、
倒れた遊を見て、気になって見に来てくれたらしい。
『お前・・・なんか盛られたっぽい?』
『かも・・・。よく分かんない・・・』
『お気の毒。お前・・・その感じじゃ今日 寝られないんじゃね?かわいそうに~!』
笑いながら、バシバシ叩かれる。
『お前な・・・・』
『まあまあ。ひたすらヌけ!』
『はいはい』
沼田は キメ顔で親指を立てると、遊をタクシーに乗せてくれた。
続いて、俺も乗り込む。
『気をつけてな。
アイツは俺がビシッと説教しとくから』
外を見れば、項垂れて看板の陰に半ば隠れて立つ真美がいた。
『とりあえず、ガマンすんなよ。
出せば楽になるからさ!』
『・・・・うん』
やけに 詳しいな・・沼田。
『今回は無理に誘ったのにこんな事になって・・・・俺も悪かった、今度おごるよ』
しかも、いつ買ったのか、ペットボトルの水まで渡してくれた。
沼田・・・グッジョブ!いいヤツ!
俺の方がおごりたい気分。
ドアが閉まり、車が動き出す。
ひらひらと手を振る沼田に、俺も手を振って・・・・もう、真美の方は見ずに、見たらいけない気がして、前を向いた。
合コンなんて・・・もう、こりごりだ・・・・。
もう絶対 行かない!
お酒も飲まない!
そう、固く誓う俺だった。
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