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悪魔と天使の誕生日☆5

そして・・・・ついに やってきました 誕生日 当日~! グラタンは、昨日ホワイトソースだけ、 バイト中に仕込んでおいて 今、それを取りに行く真っ最中。 遊には「店長に呼ばれて、バイト先にちょっとだけ顔だけ出す事になった」と、言って出てきた。 「すぐ帰る」って言ったけど、 ものすごく寂しそうな顔をした遊を 置いて行くのは 心が痛かったけど・・・・ ごめんね!遊っ! すぐだから! ダッシュで帰るから! 待っててねぇーっっ!! ***** 『た、ただいまーっっ!』 『晃くん・・・!』 パタパタと 遊が玄関に出てきて 俺に抱きついた。 『おかえりなさい・・・』 『ただいま・・・』 いつの頃からか、恒例になった ギュー。 毎回 どっちかが 外から帰って来た時は 当たり前のように こうしてバグしてるんだけど、いつも遊は 俺の胸に顔をすりすり擦りよせてくるんだ。 あぁ・・!今日もかわいいぜっっ! 『遊・・ひとりにしてごめんね? 誕生日おめでとう・・』 チュッと軽くキスを交わして言うと 遊は、びっくりした顔になって、 『あ、ありがとう・・・!嬉しい っ!』 もっと力を込めて抱きついてきた。 『サプライズで驚かそうと思ってて・・・ えと・・不安にさせちゃった?』 『・・・ううん。きっと晃くんは・・何か・・・してくれるって期待しちゃってた・・・だから・・すごく嬉しい・・・・』 『あは。そっか』 『ありがと・・・・・』 『いや!まだまだ、これからだよ~』 手を引いて、ダイニングへ入る。 先ずは1つ目のサプライズ~! 『今日は俺が料理しますっ!』 『えー!晃くんが?すごーい !』 『座って待っててね?』 『うん!』 遊が ソファーに座る。 その顔は、ホントに嬉しそう。 よかった・・・・! 俺はキッチンに立って グラタンの準備に かかる。 村田さんのアドバイスで、シーフードだけは、別に炒めて、容器に入れてある。 臭みが出ちゃうかもしれないって言われたから。 温めたホワイトソースと合わせて、グラタン皿に入れてチーズをたっぷり かけて 余熱していたオーブンへ。 次にコンソメスープ。これも野菜を切って煮込むだけ。サラダも切って盛るだけ。 よし、終わったー! 超 簡単だけど・・大事なのは気持ち・・・だよね? あ・・・そうだ・・・・、あれ・・言わなきゃ・・・・ あのドSな極悪非道な悪魔が来ること。 『あ、あの・・・さ、遊?』 『んー? 何?』 『あの・・あの・・て、店長が・・・ね?』 『え?・・・・薫さん?』 『うん。あの・・・店長もさ、遊の誕生日を祝いたいんだって。だから・・後で来るって・・・』 『えっ?薫さん・・・・来るの?』 『う・・・うん・・・あの・・!ごめ・・・』 『わー、ホントに?!すごい! 嬉しいっ!』 ・・・・・・・・・・・・・え? 飛び上がって喜ぶ遊。 『え?ゆ、遊・・・・?いいの・・・?』 『うん!僕の誕生日を祝ってくれる人が・・・ 2人もいるなんて、初めて!すごく嬉しい!』 嬉しそうに目がキラキラしてる。 意外な反応・・・・・ だけど、ホントに喜んでくれてるみたい。 ま、まぁ・・・ちょっと複雑だけど・・・よかった。 本人はさらっと言ったけど・・・ 今まで どんな誕生日を過ごしてたんだろう・・・と思うと 少し胸が痛くなった。 今日は楽しませなきゃ・・・。 最高の誕生日にしよう。

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