159 / 761
悪魔と天使の誕生日☆5
そして・・・・ついに やってきました
誕生日 当日~!
グラタンは、昨日ホワイトソースだけ、
バイト中に仕込んでおいて
今、それを取りに行く真っ最中。
遊には「店長に呼ばれて、バイト先にちょっとだけ顔だけ出す事になった」と、言って出てきた。
「すぐ帰る」って言ったけど、
ものすごく寂しそうな顔をした遊を
置いて行くのは 心が痛かったけど・・・・
ごめんね!遊っ!
すぐだから!
ダッシュで帰るから!
待っててねぇーっっ!!
*****
『た、ただいまーっっ!』
『晃くん・・・!』
パタパタと 遊が玄関に出てきて
俺に抱きついた。
『おかえりなさい・・・』
『ただいま・・・』
いつの頃からか、恒例になった ギュー。
毎回 どっちかが 外から帰って来た時は
当たり前のように こうしてバグしてるんだけど、いつも遊は 俺の胸に顔をすりすり擦りよせてくるんだ。
あぁ・・!今日もかわいいぜっっ!
『遊・・ひとりにしてごめんね?
誕生日おめでとう・・』
チュッと軽くキスを交わして言うと
遊は、びっくりした顔になって、
『あ、ありがとう・・・!嬉しい っ!』
もっと力を込めて抱きついてきた。
『サプライズで驚かそうと思ってて・・・
えと・・不安にさせちゃった?』
『・・・ううん。きっと晃くんは・・何か・・・してくれるって期待しちゃってた・・・だから・・すごく嬉しい・・・・』
『あは。そっか』
『ありがと・・・・・』
『いや!まだまだ、これからだよ~』
手を引いて、ダイニングへ入る。
先ずは1つ目のサプライズ~!
『今日は俺が料理しますっ!』
『えー!晃くんが?すごーい !』
『座って待っててね?』
『うん!』
遊が ソファーに座る。
その顔は、ホントに嬉しそう。
よかった・・・・!
俺はキッチンに立って グラタンの準備に かかる。
村田さんのアドバイスで、シーフードだけは、別に炒めて、容器に入れてある。
臭みが出ちゃうかもしれないって言われたから。
温めたホワイトソースと合わせて、グラタン皿に入れてチーズをたっぷり かけて
余熱していたオーブンへ。
次にコンソメスープ。これも野菜を切って煮込むだけ。サラダも切って盛るだけ。
よし、終わったー!
超 簡単だけど・・大事なのは気持ち・・・だよね?
あ・・・そうだ・・・・、あれ・・言わなきゃ・・・・
あのドSな極悪非道な悪魔が来ること。
『あ、あの・・・さ、遊?』
『んー? 何?』
『あの・・あの・・て、店長が・・・ね?』
『え?・・・・薫さん?』
『うん。あの・・・店長もさ、遊の誕生日を祝いたいんだって。だから・・後で来るって・・・』
『えっ?薫さん・・・・来るの?』
『う・・・うん・・・あの・・!ごめ・・・』
『わー、ホントに?!すごい! 嬉しいっ!』
・・・・・・・・・・・・・え?
飛び上がって喜ぶ遊。
『え?ゆ、遊・・・・?いいの・・・?』
『うん!僕の誕生日を祝ってくれる人が・・・
2人もいるなんて、初めて!すごく嬉しい!』
嬉しそうに目がキラキラしてる。
意外な反応・・・・・
だけど、ホントに喜んでくれてるみたい。
ま、まぁ・・・ちょっと複雑だけど・・・よかった。
本人はさらっと言ったけど・・・
今まで どんな誕生日を過ごしてたんだろう・・・と思うと 少し胸が痛くなった。
今日は楽しませなきゃ・・・。
最高の誕生日にしよう。
ともだちにシェアしよう!