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悪魔と天使の誕生日☆6

チーン オーブンが焼き上がりを知らせた。 香ばしく いい焼き色になったグラタンを 、ローテーブルへ運ぶ。 お店で 大きなグラタン皿を貸してもらったから、ものすごく豪華に見える。 パセリを振ったら彩りもキレイ! 大きな深皿に盛りつけたサラダも置いて、 取り皿を並べて・・グラスを並べて・・・ うん、パーティーっぽくなってきた。 『うわぁ!美味しそう~!』 『簡単なモノばっかだけど・・・』 『ううん!すごく豪華だよ~! 僕のために、ありがと。すごく嬉しい!』 『・・・・・・うん。あ!』 『なぁに?』 『うん。ちょっと待ってて!』 ・・・そうだ! 2つ目のサプライズ!! 店長が来る前に渡しておこう! カバンの中から、キレイにラッピングされた箱を取り出して、遊に渡す。 『プレゼント ♪ 』 『え・・・・・え?・・あ、ありがとう・・っ!』 今度は 泣きそうな顔になる遊。 そんな遊が可愛くて よしよしと頭を撫でる。 いや、どんな顔でも可愛いんだけどね? 『開けてみて?』 『う・・・っうん・・・・っ!』 遊のために考えて考えて選んだのは・・・ 『わぁ・・・腕時計だぁ・・!』 『うん。これからも ずっと一緒に・・・ 同じ時間を刻んでいけるように、って 選んでみた 』 『・・・・っ、あ、きら・・・くん・・・・』 ギュッと箱を抱きしめて、遊がとうとう 泣き出してしまった。 ちょっと くさかったかな? でも、正直な俺の気持ち、なんだ。 『俺も お揃いで買ったんだ』 『・・嬉しい・・・っ・・うれし・・・っ・・』 『来年は 二十歳だから、ちゃんとプロポーズするね!』 『・・・・・っ //// ・・・プロ・・ポーズ///?』 『ふふー、うん!』 目が真ん丸になって涙も ひっこんだ遊。 顔が みるみる赤く染まっていく。 ホントは 来年もサプライズで、プロポーズしようかと思ってたけど・・・・俺の気持ちを、 気持ちの強さを 遊に 知ってて欲しかった。 『離さないからね?覚悟してね?』 『うん・・・っ。楽しみにしてる』 遊の涙を指で拭って、そっとキスしようと顔を近づけた、その時・・・・・ ピンポーン 間抜けな音が 鳴り響いた。 き、来た・・・・っ! 悪魔が・・・・来てしまった・・・!!

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