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悪魔と天使の誕生日☆10

『あ、晃くんっ! ケ、ケーキ!ケーキ食べよ?』 『・・・・・・っ!あ・・・!そ、そうだねっ! 誕生日といえばケーキだよねっ!』 「あはははー」と2人で わざとらしく明るく笑って、いそいそとキッチンへ。 俺は、やかんを火にかけ、コーヒーの粉を出して・・・・と、コーヒーの準備をする。 遊は、ケーキ用の小皿とフォークを出して、 冷蔵庫からケーキの箱を出す。 『な、何ケーキかなぁ?』 『な、なんだろーねー?』 『『あはははははは・・・!』』 わざとらしい・・・・ わざとらしいよ、俺たち! 『よし、あけよー!』 『うん!あけるね!』 パカッと箱を開ける。 ────と・・・、チョコレートの板に 「HappyBirthday」の文字が見えた。 ・・・・おぉ! ケーキは普通・・・・・ 『あ・・・・っ?』 『え・・・・っ?』 普通・・・じゃない・・・・っ!! 『・・・なっ・・・なっ・・・・! なんじゃこりゃぁぁぁぁ!!!』 遊も、息を飲む。 「HappyBirthday」のチョコレートの下には 色とりどりのキノコが たくさん乗ってて・・って、 まあ、それは メルヘンチックで可愛いんだけど・・。 その中の、他より一回り大きい2つのキノコは・・・あの・・・男のシンボル・・・の形にそっくりで・・・・・その2つのキノコが 逆Vの字に寄りそうように立っていた。 しかも、先端部からは 白いクリームが 流れるように垂らされてて・・・・。 うわぁぁぁっ! なんて 卑猥な・・・・っ! いくらなんでも悪ふざけがすぎんだろ・・・・っ! 遊の誕生日にこんな・・・・! あ!遊・・・・っ! ハッとして、遊の方を見ると 遊は下を向いて、肩を震わせていた。 せっかくの誕生日を台無しにしやがって! どうしてくれようっ!許せん! 『ふ・・っ・・・うっ・・・うぅ・・・・』 とうとう遊が、声を出して泣き始めてしまった。 楽しい日になるはずだったのに・・・ やっぱり店長なんか来なきゃよかったんだ! くそぉ! 悪魔祓いを探さなきゃ! 『ゆ、遊・・・・』 小刻みに震える肩を抱きしめようと、手を伸ばす。 『ふ・・・っ、うく・・・ははっ、あはは・・・!』 突然、遊が 笑いだした。 ・・・・・・・・・・え? 遊・・・・悲しすぎて壊れちゃった・・・?? 『ゆ、遊・・!気を確かに・・・・』 『あははっ!もうっ!おもしろーい! こんなケーキ・・・・どうやって・・・・っ! ぷっ!あはははっ!薫さんってばっっ!』 何かがツボにはまったらしく、お腹を抱えて 笑い続ける遊。 『・・・・・・・・・・・え?』 呆然。 おもしろい? どうしよう・・・・ 時々 遊が わからない・・・・ 笑うとこなのか、これ。 でも・・・もしかして店長は・・・ 分かってたのかな…? 遊が怒らないって・・・ 笑い飛ばすって・・・・ だとしたら・・・・ あ―――――っ! なんか 悔しいっっ!

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