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晃の受難☆1

その日、俺は 帰り道を急いでいた。 うわー!降りそう・・・っ! 急げっ!急げっっ!! 朝はすっきり晴れてたし、 天気予報でも雨が降るのは夜になってから、 って言ってたから 安心して、洗濯物を干したのにーっっ ! 午後から 急に曇りだして 、大学が終わった頃には、灰色の雲が空を覆い 今にも雨が降りだしそうな気配。 大丈夫!大丈夫だっ! 走れば、間に合うぅぅっっ! 必死で走っていると、 ポツッと、雨粒が顔に当たった。 ああ・・!ヤバいっ! マジで降っちゃうぅぅっっ! 急げっ!急げーっっ! よし! あの角を曲がれば、あとは一直線だっ! 角を曲がって、スピードを上げようとした時、 目の前に人がいるのに気づいた。 あ、ヤベ・・・っ! 慌てて、スピードを落とす・・けど、 ――ああ!ダメだっっ! 間に合わな・・・・・・・! ドンッ!! 『『わあっ・・・!』』 派手にぶつかり、後ろに倒れそうになった所を、ぶつかった相手が 俺の手を掴んでくれて・・・そのおかげで、なんとか転ばずに済んだ。 『────っっ!!』 転ばずには・・済んだんだ・・・けど・・・ 済んだんだけど・・・・ ある一点の痛みに思わず しゃがみ込む。 『・・・・う・・ぅ・・っ・・・』 『え?・・・君、大丈夫っ!?』 『う・・・ぅぐぐ・・・・っ・・・』 あ・・・・・、 あなたの鞄が・・俺の・・・ 俺の・・・・ こ、股間に・・・ クリティカルヒット・・・ したんですぅ・・・っ・・・・!! この痛み・・・半端ないっ! 痛い・・・っ! 痛いぃぃ・・っ! 『だ、大丈夫・・・?』 心配そうに、うずくまった俺の背中をさすってくれるが、その震動ですら痛みが走る。 『く・・うぅ・・・・』 痛くて痛くて・・涙が滲んで視界がぼやけてきた。 泣くなんて恥ずかしい・・・ でも、痛いんだもん・・・ 『えっと・・・どうしよう・・・・! あの、・・びょ、病院!病院・・・行く?』 『─────!』 ――びょ、病院!? 冗談じゃないっ! 行けるか! 恥ずかしいわ! 『あ、いえ・・・だ、大・・・丈夫・・です・・・』 『でも・・すごく痛そうだよ?ドコ打ったの?』 『────!』 い、――言えるかーっ! と、とにかく・・ここを早く離れたい・・・! 家に・・家に帰ろう・・・!! 『あ・・・の・・ありがとう・・ございました。 大丈夫・・・ですから・・・・・』 立とうとするけど、あまりの痛みに まったくといっていい程、動けない。 『・・・あの・・嫌じゃなかったら・・・僕が 家まで送るよ?家、近い?』 あぁ・・この人・・・優しい人だぁ・・・ カバンがぶつかったのだって、 わざとじゃないし・・っていうか そもそも俺が転ばないように助けてくれたんだし・・・ ・・・でも! 『ありがとうございます。 ・・・・ホントに大丈夫です・・』 初対面の人に家まで送らせるのは さすがに・・・ないな。 1人で帰ろう・・・

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