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遊の災難☆7
なんとか痴漢にあった事だけを話して
晃くんを見ると・・・
『───ち、痴漢!?しかも 集団??
・・・ええぇ!?だ、大丈夫?ケガしてない?
大丈夫?ケガは?えと、ケガは!?』
今にも倒れてしまいそうなくらい真っ青な顔になった晃くんは、オロオロと慌てだす。
『くそ!誰だっ!何してくれてんだっ!
俺の大切な遊に・・っ!大切な遊に!
許さーんっっ!』
今度は怒り出した晃くん。
その様子に、思わず笑ってしまった。
心配してくれてる晃くんには
申し訳ないんだけど・・・
なんていったらいいんだろう・・
なんだか、すごく・・・安心したんだ。
いつもの晃くんだったから・・・
さっき、晃くんに会いたくなかった・・・って思ってしまったのは・・・きっと、晃くんに嫌われたらどうしよう・・・って
無意識に考えてしまったから・・・
晃くんは そんな人じゃないのに・・・
『ソイツら どこ行った!?
俺が ギッタンギッタンにやっつけてやる!』
『・・・・あ、それは・・・大丈夫。
これでもかってくらい・・・・・・・・、ああっ!』
『え?・・・・遊?どしたの?』
そうだ!
そうだった!
あの人と会う事も・・・言わないと!
『ね、晃くん。今日はバイト?』
『へ・・?・・・えーと・・・いや、確か・・・
休み・・・・だと思うけど・・・なんで?』
『うん。夜・・ご飯つきあってくれる?』
『へ・・??・・・いいけど・・・・』
助けてくれたくらいだから悪い人じゃないとは思う・・・けど
・・・僕は あの人と2人で 会う気は これっぽっちもなかった。
なんとなく、だけど
あの人は なんだか 危険な香りがする・・・。
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