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遊の災難☆9

** 遊・side ** 駅を出て、裏通りへ入ると 新見さんが振り返った。 『奢るっつといてアレだけど ラーメンでいいか? すっげー ウマイ所あるんだよー』 『・・・あっ、はい・・・』 『はいっ!!俺っ、ラーメン大好きですっ!』 『ははは。そーかそーか ♪ あ、ここ ここ ♪ 』 新見さん お薦めのラーメン屋に着くと、 お店の前にスーツ姿の男の人が キョロキョロしながら立っていた。 その人が ふっと、俺たちの方を・・というか新見さんを見た途端、パァッと輝くような笑顔になって駆けてくる。 『英道!』 だけど、新見さんに近づくにつれ、さっきの笑顔は一体 どこへ行った?ってくらい・・・むくれた顔に変わっていき・・・ 『おっせーよ!何分待たすんだ!』 怒りだした。 『おう、悪かったな、急に呼びだして。 イイ子で待ってたか~?』 新見さんは さして気にする様子もなく よしよしと頭を撫でる。 『ガキ扱いすんなっ////!』 『はいはい。可愛いヤツだなー♪』 さらに、よしよしする新見さんの手を バチッと振り払った。 『そ、外で触んなって言ってんだろっ///!』 『はいはい。そう怒るなって。 可愛い顔が台無しだぞ~?ハル ♪ 』 『かっ・・可愛いとか言うなっ///!』 『ははは。はいはい ♪ 』 ・・・・・・・・えーと。 この怒りまくってる人は 新見さんの知り合いって事だよね・・? っていうか・・・この人・・ 口調は怒ってるけど・・・なんか・・・嬉しそう。 顔も、真っ赤で 照れてるのが丸わかりだし。 これって・・・噂の(←?)ツンデレ? 『あ。晃、遊。コイツ、晴臣ってーの。 よろしくな』 『・・・はっ!?あ。 は、初めまして! 高岡 晴臣(たかおか はるおみ)ですっ!』 子どもっぽく見えた その人は 意外にも (って言ったら失礼かな?) 礼儀正しく、きちんと挨拶してくれた。 『おお!よく出来ましたー♪ ハル♪』 『/////っ!だから!ガキ扱いすんなって 言ってるだろっ!バカみちっ///!』 あ、元に戻った。 面白いなぁ・・・この人。 新見さんも、かわいくて仕方ない、 って感じだし・・・。 見てて、微笑ましい・・・。 どういう知り合いなんだろ・・・・。 新見さんよりは・・・年下に見えるから 会社の後輩ってとこ・・・かな? 『よし、入ろーぜ♪』 そう言われて、慌てて 僕たちも 晴臣さんに 名前だけの簡単な挨拶をしてから、ラーメン屋の暖簾をくぐった。

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