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晃の災難☆12

*** 新見・side *** ある日の夕方。 仕事終わり、 疲れた体に追い討ちをかけるような 満員の電車・・・ 『はぁ・・・』 うんざりしながら 何も考えなくていいように、と目を閉じた。 ――と、 「・・・やめ・・・よっ」 「触ん・・な・・」 誰かの怒ったような小さな声が聞こえた。 なんか揉めてる・・・? ケンカか・・・? ま、 どーでもいーけど。 『やめろって!』 今度は、はっきり怒鳴る声が聞こえた。 辺りを見回す・・・が どいつが怒鳴ったヤツなのかは分からない。 1つ分かったのは、声の主が若い男の声だったって事くらいか。 何となく気にはなったが・・・ それから静かになったから、 大した事ではなかったのだろう。 また目を閉じて思考を遮断した。 そして・・・次の駅に着く直前になって 『───この・・・! ケツ触んなよっ!変態かっ!!』 また、若い男の声がした。 ・・・は? ケツ・・・・? って、痴漢? ───男に? 声のした方に目を凝らす。 そのうち、電車が駅に着いて、扉が開いた。 『やめろよ!・・・やめろって!』 注意深く 人の流れを見ていると、明らかに不自然な集団が、扉の外に移動していく。 その真ん中に、怒った顔をした若い男の姿が ちらりと見えた。 あれか・・・ しかし・・・外に連れ出して どうすんだ? ・・・・・・ ま、俺には関係ないか 幾分か人が減ったことで動きやすくなった車内を、出口に近い所へと移動する。 その時、その若い男と目が合った。 『た、助けて・・・っ!』 口では強気な事を言っていたが・・・相当 怖いらしく・・・必死な顔で助けを求めていた。 明らかに おかしな空気なのに関わりたくないのか誰ひとり助けようともしない。 あぁ・・ 目ぇ合っちまった・・・ めんどくせーな・・・くそぉ・・! 助けるかどーかは ともかく、 とりあえず電車を降りる事にした。

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