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遊の災難☆17
*** 新見・side ***
お粥を食べさせて・・・薬を飲ませて。
相変わらず、ボーッとしていて まともに会話は出来ないけど・・コイツの名前が、高岡 晴臣だっていうのは知ることが出来た。
『お前・・・明日も仕事?』
『・・・・うん・・』
『この熱じゃ明日は無理だろーな・・
ここにいてもいいから休め。な?』
『・・・うん・・・・』
分かって・・・ないかな?
まあ、いいや
明日 もう一度 言おう
すやすやと眠ってしまった晴臣を見ながら
考えるのは・・・ずっと同じこと。
守ってやりたい・・
・・・この感情はなんなんだ?
何度目の自問自答か・・・・
恋とか愛とかじゃない・・・と思う
兄弟愛?父性愛?みたいなもん?
それとも庇護欲?保護欲?
んー、分からん・・・・
でも・・・とにかく
これからもコイツと繋がっていたい、
なんて思う。
それは、それだけは 確かな気持ちだった。
☆ ☆ ☆
―――翌日
リビングのソファーで目覚めた朝。
一瞬、記憶がとんでいた。
あれ?
なんでソファーで寝てんだ・・・俺・・・・
んん・・・・?
昨日 なんかあったっけか?
・・・・・・・昨日
・・・・・・・昨日
・・・・・・・
───あ!
アイツ!
えーと、なんだっけ・・
あ、晴臣・・・・!
急に不安になって寝室へ急ぐ。
眠っている晴臣の額に手を当てると
熱は・・・下がっていた。
よかった・・・・
役目を終えた冷却シートを剥がしていると、
晴臣が身動ぎして、ぱちっと目が開いた。
その目が俺をゆっくり捉える・・・
『―――っ!・・・えっ?』
晴臣の顔がみるみる真っ青になって・・・
体が小刻みに震えだす。
それは まるで
昨日の公園で助けた後の・・・・
怯えた目だった。
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