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遊の災難☆18
*** 新見・side ***
・・・・って、おい。
なんだ、その反応は・・・
『お前、俺が・・・誰か 分かるか?』
そう聞くと・・・・、
怯えた顔のまま固まっている。
・・・・分かってねぇな・・・・・
『はぁ・・・・。
俺は、お前を痴漢から助けたの。
痴漢したヤツと同じにすんなよ?
・・・傷つくだろーが』
そう、ため息と共に説明してやると・・・
しばらくして、「あ」という顔になった。
『思い出した?』
ばつが悪そうに こくんと頷く晴臣。
顔がみるみる赤くなっていき、
恥ずかしくなったのか、
布団を口元まで引っ張りあげる。
それから、チラッと俺を見た。
『あ、あの・・・俺・・・なんで・・ここに・・・・?』
『ああ。
お前、タクシー乗ってから熱 出したんだよ。んで、お前ん家、分かんねーから、
ウチに連れてきたって訳』
『・・・タクシー・・、・・・・・熱・・・』
『熱はだいぶ下がったけどな。
昨日も一応 言ったんだけど・・・
今日は、仕事は休んだ方がいいと思うぞ?』
『し・・・ごと・・・・』
『自分で電話 出来るか?』
『あ、はい・・・・。あの・・俺の鞄は・・・』
『ああ、鞄ね』
鞄を渡してやると、よろよろと起き上がり
中からスマホを取り出すと電話を始めた。
それを確認して、寝室から出て・・・俺も事務所の所長に連絡を入れる。
もちろん、休むため、だ。
しばらくすると、晴臣が寝室から顔を覗かせ、俺の姿を見つけると、おずおずと部屋から出てきた。
俺が着せた服は、あまりにも ぶかぶかで・・・・・
なんだか笑える。
『寝てなくて いーのか?』
『・・・はい。あの、
ありがとうございました・・・
色々・・してもらって・・・・
その、会ったばかりなのに・・・迷惑かけて・・
ごめんなさい・・・・・・』
『俺が好きでやったことだ。気にすんな』
『・・・・あの・・・』
『ん?』
『俺の・・・服は・・・・』
『・・・・あれか・・・。ズボンはともかく
上着はもうダメだと思うぞ?』
『・・・・・・そ・・・ですね・・・・・。
じゃあ・・この服、貸してもらえますか?
もう帰ります・・・』
『・・・・・・・・・・・・・・・・・は?・・・・帰る?』
今・・・・なんつった?
帰る・・・・・・?
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