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遊の災難☆20
*** 遊・side ***
話が長くなりそうなので、ラーメン屋を出て、ファミレスに移動した僕たち。
平日だから、あんまり混んでいなくて話をするには最適な空間だ。
それにしても・・・晴臣さんも痴漢にあってたなんて・・・。
しかも、やり方が僕と似てた・・
けど、
晴臣さんの方が きっと・・・
僕よりずっと怖くて 辛かったと思う。
新見さんがいてくれて、ホントによかった・・・。
『同じヤツら・・・なのかな?』
そう聞くと、
新見さんは肩をすくめた。
『・・・さあ?・・・ハルの時は暗かったから
顔は 見てないんだよな。
でもまあ・・・そういう やり方は・・・
珍しくはないと思う』
『そう・・・ですか・・・』
晴臣さんは、辛かった出来事を思い出したのか、ずっと俯いたままだ。
『ああ、別に犯人が誰か・・・とか、
俺はどうでもいいんだ』
そこで、横に座る晴臣さんの頭を撫でる。
突然 触られたからなのか・・・晴臣さんの体がビクッと跳ねた。
『ただ・・男相手に痴漢するヤツだって、
この世の仲にはいるんだって事
決して 遊やハルが 悪いんじゃないって事
それを分かってほしくてな』
そこで、晴臣さんがパッと顔を上げて新見さんを見た。
新見さんは、優しく微笑んだ後、晴臣さんの頭を撫で続ける。
『あれから・・・半年以上 経っても ハルはまだ・・・人に触られるのを極端に嫌がる。
俺でも、不意打ちで触ると怯えるしなー。
・・・・・地味に傷つくんだけど』
『だから・・!それはいつも・・ごめんって・・・』
『ああ、いいんだ いいんだ・・・。
俺はお前の事 こんなに好きなのに、
いつも全否定されるしさー』
『すっ・・・///!?───ってお前のは・・・・
同情だよ・・・。俺を好きな訳じゃ・・・・・』
『はぁ・・・。いっつも、こーなんだよー
コイツ 俺の言うこと信じねーの』
新見さんは大袈裟に ため息をついて僕を見る。
『・・・・でも・・僕には2人が好きあってるようにしか見えませんけど・・・』
僕は、素直な感想を言ってみる。
すると、みるみる晴臣さんの顔が赤くなっていった。
『・・・なっ・・・・////』
『俺も!さっきから イチャイチャしてるなぁーって。だから、つきあってるのかな・・・って思って・・・だから、そう聞いたんですよ?』
晃くんが、直球で とどめを刺す。
晴臣さんは、僕たち2人からの攻撃に
反撃する元気もなくしてしまったのか
ふて腐れたようにテーブルに
突っ伏してしまった。
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