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遊の災難☆21
そんな晴臣さんを、優しい笑顔で見つめる
新見さん。
愛しくてたまらない・・・そんな笑顔で。
こんなに ( 分かりやすく ) 愛されてるのに
晴臣さんが受け入れられないのは
まだ心の傷が癒えてないから・・なのかな・・・
晴臣さんが新見さんのこと好きなのは
見てて バレバレだから間違いないんだよね
なんか・・・もどかしいなぁ・・・
この2人・・・
新見さんは、また ため息をついて遠い目をする。
『本気で好きじゃなかったら 半年以上・・・
つーか、もう10ヶ月か・・・。
――も、生殺しのまんま 一緒にいないと思うんだよなー。 俺、元々そんなに気の長い方じゃないし』
『え・・・・・・?』
生殺し・・・?
じゅ、10ヶ月っ!?
『あ、俺とハル、純愛だからー♪』
『え・・・・・・?』
純愛・・・?
・・・・・え?
───って、事は・・・?
『ひっ、英道やめろよっ////!
そういう事、人に言うなっっ///!』
『純愛・・・生殺し・・・ってことは、
2人はまだ 清い交際なんですか!?』
空気を読まない晃くんが、ストレートに聞く。
すると、晴臣さんは ますます赤くなって 地団駄を踏み、ジタバタ暴れ出す。
『やめろぉっ!言うなっ////!』
『ホントの事じゃん』
『──っ///、英道・・・っ!』
『純愛・・・すごく・・いい・・・////』
こうゆうのが大好きな晃くんは
うっとり天を仰ぐ。
『晃ぁぁっ!キラキラすんな///っ!』
当然ながら晴臣さんは怒り出した。
っていうか・・・
晴臣さんって、すっごい照れ屋さんだよね。
好きなんだけど素直になれなくて
突っぱねちゃう・・・みたいな?
新見さんの方は、トラウマ抱えてる晴臣さんに、強引に踏み込めないみたいだし・・・。
このままじゃ 好き合ってるのに同じところで
ずっと立ち止まったまま・・・・
うー、
もどかしい・・・!
両想いなのに・・・!
晴臣さん・・・
晴臣さんさえ・・・
『素直になれば いいのに』
何とかしたくて、つい思ってることが
言葉になって出てしまった僕。
『・・・・・え?』
あ・・・言っちゃった・・・・!
でも、こうなったら・・・
勢いで、言ってしまおう!
『好きなら受け入れちゃえば?
そしたら今より ずっと楽になると思う・・』
固まる晴臣さん。
キョトンとする新見さんと晃くん。
しばらくして、僕の言った意味を理解したらしい晴臣さんは、唇を噛みしめ、拳をギュッと握りしめた。
『お前に・・何が分かるんだっ!
勝手なこと 言うなっ!』
と、一言 絞り出すように叫ぶと、
お店から走って出ていってしまった。
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