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遊の災難☆24
*** 遊・side ***
家に帰って、ホッと一息。
朝から色んな事があったなー
痴漢・・とか、びっくりした・・・・
でも・・・新見さんのお陰か、
あんまりトラウマっぽくはなってない
・・・かなぁ・・?
怖い、っていうか、今度 会ったら
思いっきり殴り倒してやりたい!
護身術でも習おうかなぁ・・・
あれこれ思いを巡らせていると、
『お風呂、入れるよー』
晃くんの声がした。
『あ、うん。ありがと』
『ゆー』
傍にきた晃くんが、
すっと僕に手を差し出す。
『・・・・・・?』
その手を 取って立ち上がると、
ギュッと抱きしめられた。
『晃・・・くん?』
『・・・怖くない?』
『え?』
『俺に・・・触られるの・・・嫌じゃない?』
『・・・・・・・・・』
ああ・・・
僕と晴臣さんを・・・重ねてるのかな・・?
心配かけちゃったな・・・
『大丈夫・・・』
そう言って、晃くんの不安を打ち消すように
晃くんにギューっと抱きつく。
『怖くない・・・嫌じゃないよ。
晃くんに ギューってされると
すごく・・・すごく安心する・・・・』
『遊・・・』
好きな人が傍にいる・・・
それだけで こんなに安心できる・・・
強くなれる・・・
きっと、晴臣さんも・・・同じはず。
大丈夫・・・・だよね?
2人でなら、絶対、幸せになれるよね?
頭に浮かぶのは、照れながら 新見さんに頭を撫でられている晴臣さんの姿。
微笑ましい・・・っていうか、見てて 心が温かくなるような、雰囲気のいい2人だった。
今度、
会う時は もっと色んな話したいな・・・・
晃くんが身じろぎをする。
そっと目を開けると、
僕を見つめている晃くんと目が合った。
その目が優しくて・・・、
無性にキスがしたくなって
キスをねだるように 上を向いて
また目を閉じる。
すぐに、温かい唇が触れた。
幸せを噛みしめるように、
しばらく そのまま抱きしめ合った。
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