232 / 761
遊の災難☆25
*** 遊・side ***
軽く、触れるだけのキスを繰り返す。
───と、
晃くんが急にガバッと体を離した。
『・・・・・?』
『あ――、ダメだ・・・俺っ・・・・!』
『え?』
がっくりと項垂れる晃くん。
ダメ・・・って何が、だろ・・・・・
『晃くん・・・?』
『俺・・・新見さんみたいに・・・・
遊を見守ってあげらんない・・かも・・・』
『・・・・・え?』
『今日、遊は辛いことがあったのに・・・・
なのに・・・・、なのに、俺は・・・
こうやって抱きしめたら、遊が ほしくなる・・・・』
『////・・・晃・・・くん・・・・』
『ダメだなー、俺・・・
新見さんみたいには・・なれない・・・・』
晃くんってば・・・。
そんなこと・・・思って・・・
『晃くんは晃くんでしょ?』
そう言って、もう一度 僕から抱きつく。
『新見さんみたいになる必要なんてない。
それに、晃くん、優しいから・・・僕がイヤな事、絶対しないもん』
『ゆー・・・・』
晃くんの顔を両手で挟んで、チュッとキスをする。晃くんは まだ、複雑な表情のまま、だ。
『お風呂、入ろ?』
『う?・・・・・うん』
抱きついたまま、晃くんの耳元に唇をよせる。
『お風呂から上がったら、
もっと いっぱいキスしてね・・・?』
『――っっ////!ちょ・・・///ゆー!
あー・・・もうっ!今日は、今日だけは
我慢しようって思ってたのに・・・っ!
かわいいっ!遊ーっ! 大好きっ!』
『ふふっ、僕も だ~いすき///』
抱きあったまま、歩きにくいのも構わずお風呂へと向かう。
服も脱がせあって、体も洗いあって、いつも以上に くっついて、逆上せ気味でお風呂から出た。
そのまま、ベッドへ・・・・・。
と、思ったら・・・僕のスマホが メールの着信を告げた。
『誰だろ・・・・?』
見ると、新見さんからのメールだった。
(一歩、前進♪)
の、一言だけ。
え?もう?
行動、早いなー。
焦っちゃダメだよって言ったのに・・・・
と思いつつ、自然と笑ってしまう・・・。
これから、晴臣さんが大変だろうな・・・。
新見さん、
グイグイいきすぎて暴走しなきゃいいけど。
ギャーギャー言いながら、抵抗する晴臣さんの姿が目に浮かぶよう・・・・
『ゆー?』
『あ。今、行くー!』
もう邪魔されないように、スマホをマナーモードにして、晃くんの元へと向かった。
ともだちにシェアしよう!